蛇足・結末に至る過程の話
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一族?」
「生命力をそのまま色にした様な鮮やかな赤い髪を持つ、渦の国出身の一族でね。君は、父親か母親のどちらかのうずまき一族ではない方の色を受け継いだんだろうね」
「なんかよく分かんないってばよ」
首を傾げる少年の金の髪を優しく撫で付け、その人は過ぎ去った過去を懐かしむ様に両目を細めた。
「なんか物騒な気配がしたから、ガイ君と出て来てみたのだけれども……。半魚人って本当に実在していたんだなぁ……」
「…………失礼な人ですねぇ、貴方」
しみじみと感慨を込めて呟かれた一言に、青白い肌の大男がこめかみを引き攣らせる。
そうしてから無表情でこちらを見つめている黒髪の青年の姿を目にして、その人は「げっ」と何とも形容し難い呻き声を漏らした。
「万華鏡写輪眼!? なんで私の周りのうちは一族は万華鏡開眼率が高いんだ……!」
「――……木ノ葉では見た事の無い顔ですね。しかし……どこか見覚えがある」
三枚羽の手裏剣を思わせる文様の浮かんだ瞳を軽く眇めた黒髪の青年に対し、その人は視線を逸らす事なく腰を落として身構える。
「私の方も君によく似ている子を知ってるよ。最も、君と直接顔を合わせるのはこれが初めてなんだけどね」
「どういう意味だ? それに何故この目の事を知っている……?」
臆する事なく赤い目を射抜いて来るその人に、青年の方も只ならぬ物を感じ取り表情を険しい物に変えた。
もうもうと湯煙の立ちこめる中、金の髪の女は白い蒸気の奥から現れた人物を見て、正確にはその首元を見て目を見張った。
「大叔母様! その痣は、一体……!」
「ああ、これ? 昔殺されたかけた事があってね。これはその時の古傷なんだ。どうしてか、これだけは治らなくてね」
細く白い首を覆う枷を連想させる痣に、金の髪の女は息を飲む。そんな彼女に、その人は小さく笑って首元を白いタオルで隠した。
「殺されかけたって、それって……!」
「それよりもつーちゃん、いやさ、綱手。君は、火影になる気はないのかい?」
それまでの親しみ易い声音を一変させた鋭い声が、女の胸を抉る。
言い訳は許さないとばかりに研ぎすまされた声音に、女は無言で顔を伏せた。
「別に無理になって欲しいとは言わないよ。でも、どうして躊躇っているのか……その訳を教えてくれたら私としても嬉しいんだけど」
慈母を思わせる声音に、女はますますその身を小さくする。
胸の前に置かれた女の両手が過去の悪夢を思い出した様に小刻みに震え出した。
「私は…………!」
薄暗い森の中。
首元を押さえている少年の前に、森の空気がそのまま凝って人形を作った様な……そんな神秘的な気配を纏った人影が現れる。
「――手を組もうじゃ
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