イマジンブレイカー
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「なっ…何言ってんだよ今更!インデックスが俺を騙したって言うのかよ!」
「彼女は嘘をついてはいませんよ。…覚えていないだけです。私達が同じネセサリウスの人間だと言う事も、自分が追われている本当の理由も。禁書目録を追う魔術師は10万3000冊を狙う魔術結社の人間。そう思うのが妥当だ。自分の中の知識から彼女はそう判断したのでしょう」
「信じられねぇ。じゃあ何でインデックスはあんた達の事を覚えてないんだ?あいつには完全記憶能力があるんだろ!?」
そう叫んだ少年に答えようとして火織は口を開こうとするが、その火織の肩に神堂の手が置かれ、火織は咄嗟に口を閉ざした。
「俺達が彼女の記憶を消した。…自分自身の意思でな」
そう小さな声で呟いた神堂の表情には悲痛の色が浮かんでいる。先程まで少年とやり取りしていた火織さえも、神堂が呟いた記憶を消した、と言う言葉に顔を歪めている。
そんな神堂の言葉と、二人の様子を見て、少年は戸惑うしかない。
少年は先程まで二人の事を完全な悪の存在と思っていたが、どうやら少し違うようだ、と認識し始める。
「聞かせてくれないか…あんた達とインデックスの過去の話を…」
少年の提案に神堂は少し考える素振りを見せ、そして小さく頷いた。
「いいだろう。お前がこの話を聞いてどう動くか見せてもらうぞ」
――――――――――
「それからあいつがどうなったのか…何となく察しはつくだろう?」
「…もしその話が本当だとして、インデックスの限界ってのはあとどのくらいなんだ?」
神堂が少年に話したのはインデックスを蝕む力の話。インデックスが持つ完全記憶能力と、10万3000冊の魔道書の関係。そして定期的に記憶を消さなければ彼女は死ぬと言う事。
恐らく神堂は過去のインデックスとの事を全て話しただろう。その必要はどこにもないのだが、なぜか神堂は話してしまった。
今目の前にいる少年がこの話を聞き、どう考え、どう動くかに興味があったからだ。そしてこの現状をどうにか出来ないか、という事に少しの希望を抱いてしまった。
神堂が真っ直ぐ見ている少年は今まで見たことのないタイプの人間だ。言葉にするのは難しいが、何か真っ直ぐな信念を少年から神堂は感じ取った。神堂はその信念を間近で見て、少しの希望を抱くことにしたのだ。
この長い苦しみの連鎖にこいつが終止符を打ってくれる事を。見ず知らずの少年に少しだけ託す事にしたのだ。だからこそ話してしまった。話す必要もない事まで。
「持ってあと三日…って所だろうな」
「なら…!」
少年が神堂に向かい、何か言おうとするが、神堂はその言葉を聞かず少年に背を向ける。
「一日だけ…お前に時間をくれてやる。インデ
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