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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第二十一話 情報共有
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「そのために俺はあなた方に剣を貸したのだから」

 彼の闇とは比ぶべくもない。
 彼の赤い瞳に映る闇はとても深く、暗く
 正常な人間では耐えることも出来ないモノ

「っ! な、なのはさんが眼を覚ましたら一緒に朝食にしましょう」

 なのはさんの部屋を慌てて後にする。
 部屋から少し離れて、壁に背を預ける。
 全身は嫌な汗に濡れ、手が、膝が、震えている。
 私は何を考えたの?

 正常な人間じゃ耐えられないモノに耐えるモノは異常者か、化け物か

「そんな……」

 頭を振り、意識をしっかりと保つ。

 だけど……あの赤い瞳が頭から離れない。

 大丈夫、いつも通り彼と接することができる。
 彼が何者かはわからない。
 過去もわからない。
 でも信じる事は出来る。
 私達が裏切らなければ、決して彼は裏切ることはない。
 だから私は彼の信用に応える様に動くだけ。
 それが私に出来ること




side 士郎

 少し話し過ぎたかも知れない。
 リンディ提督の表情は見慣れている。
 俺の本質を見た人間はだいたい遠坂みたいにあきれるか、他の人たちのように拒絶する。
 もっとも拒絶するほうが圧倒的に多く、あきれたりする方が珍しい。
 アルトは

「ずいぶんと壊れてるのね。でも、だからこそ面白いのかもね」

 なんて言っていたが。

 これでも遠坂達と一緒にいた時はまだよかった。
 だが大切な人たちの手を振り払ってからは誰かと共にいることを選ばなかった。
 命が狙われている俺と共にいれば共にいる誰かを危険に晒すことになる。
 だか、隠れて生活しながらも見捨てることができなかった。
 だからいきなり現れて剣を振るい、命を奪うというやり方で多くを救おうとした。
 その行為は化け物と変わらなかった。
 いや、戦場から戦場へ命を奪い続けるために移動を続ける正しく化け物だった。 

「にゅ? 士郎……君?」

 と起こしてしまったかな?

「おはよう、なのは」
「うん、おはよう」

 さてと、なのはも眼を覚ましたし

「さて、部屋に戻るから顔を洗って着替えて、朝食にしようか」
「は〜い!」

 なのはの返事を聞き、部屋を後にする。
 なのはは俺の事を知った時、どういう反応をするのだろうか?
 拒絶するのだろうか?
 それとも……

「考えても答えは出ないか」

 この答えはそう遠くない内に出ることになるだろう。
 俺はそう確信していた。
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