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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第二十一話 情報共有
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てある。
 これが終わった時、二人が笑えるように俺は戦う。
 俺が目指す先はまだ見えないが、今はこれでいい。
 二人のために剣を執る。
 それだけで俺には十分だ。




side リンディ

 昨日別れる時に

「朝食をよかったら一緒にしない」

 と士郎君達を誘って、了承も貰ったのだけど起きてこない。
 銃関係の封印やアースラの他のスタッフへの顔合わせなどもあるからそろそろ起きてきてほしいところでもある。
 でも昨日、遅かったしもしかしたらまだ眠っているのかもしれない。

 そして士郎君の部屋の前に立つ。
 私が士郎君達を起こしに行ったなんて知ったらクロノがまたため息をつくのだろう。
 だけど

「個人的に士郎君の寝顔はどんなのか興味あるのだから仕方ないじゃない」

 普段、アレだけ大人びているのだ。
 眠っている時の年相応の姿を見たくもある。
 だから

「失礼します」

 小声で一応断って士郎君の部屋に入ると

「あら?」

 意外な事に部屋には誰もいなかった。
 それにベットはきちんと片付けられて、まるで使用されていない部屋みたいにきれいだ。
 だけど士郎君のカバンがあるからこの部屋で間違いない。

「なのはさんなら知ってるかしら?」

 士郎君の部屋を後にして、なのはさんの部屋に入る。
 とそこには安らかに眠るなのはさんとなのはさんの頭を丁寧に撫でる士郎君の姿があった。
 本当なら声をかけるところだけどかけれなかった。

 なのはさんを見つめる士郎君の表情が余りにも大人びて見えたから
 その姿が余りにも儚かったから

「おはようございます。
 リンディ提督、朝食の時間ですか?」

 士郎君の言葉に意識を取り戻す。

「おはようございます。
 そのつもりだったのだけど出直してきた方がよさそうね」
「すみません。今、なのはを起こすのはちょっと」

 そう言いながらなのはさんに視線を戻す士郎君。
 その眼を見てわかってしまった。
 彼は

「……失ったことがあるのね」
「……はい」

 私が無意識に零した言葉に静かに穏やかに返事をして、私を向く。

「全てを敵にまわして、大切な者の手を振り払って、剣を執った」

 私を見つめる血のように赤い瞳。
 その赤い瞳が初めて恐ろしく感じた。

「多くを救うために命を奪ってきた」

 彼は一体どんな地獄を見てきたのだろうか

「だからいざとなったら切り捨ててください」

 彼はどんな絶望を味わってきたのだろうか

「なのは達を守るために一番最初に俺を切り捨ててください」

 管理局という組織の中にいて絶望したことも何度もある。
 だけどそんなものは

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