第百二十話 自由と運命
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去って行った。その姿は復活したレーダーからも確認された。
「帰って行きます」
「何だったの、あれは」
マリューはまだ何が起こったのかよくわかっていなかった。
「何かよくわかりませんが帰りました」
ナタルもまだ完全に我に返ってはいなかった。
「戦いを終えて」
「・・・・・・・・・」
「艦長」
沈黙するマリューにサイが声をかけた。それでマリューは我に返った。
「え、ええ」
そして戦局を確かめる。
「とりあえずザフトはどうなったの?」
「今撤退にかかっています」
「そう」
「艦長、追いますか」
「いえ、負傷者の救助を優先させて。どのみちザフトにはもうまともな戦力はないわ」
「確かに」
「彼等自身も負傷者を救助して必死に逃れてるしね」
見ればその通りであった。ザフトはマスターアジアの攻撃をかろうじてかわしたクルーゼの指揮の下残った艦艇に負傷者達を慌しく収容しそのまま撤退を開始していた。後詰はミネルバが行い足止めにかかっていた。
「一機たりとも近寄らせては駄目よ」
タリアが命じる。
「今は・・・・・・残った友軍を」
「了解です」
ハイネがそれに頷く。
「じゃあ今は」
「ええ、皆踏ん張ってね」
タリアは言う。
「全軍撤退するまで」
その間にザフト軍は必死にカーペンタリアまで逃れていく。だが収容しきれない者達は置いていくしかなかった。彼等は連邦軍、そしてロンド=ベルの捕虜となっていた。
「グローバル艦長」
サザーランドがマクロスのモニターに姿を現わしてきた。
「かなりの捕虜が保護されたわけですが」
「ええ。彼等はジャブローに送りましょう」
「そうですな」
「少なくとも三輪長官にはお渡しするわけにはいきません」
「それはこちらも同じ考えです。それでは」
「はい、では今から捕虜を」
「いえ、それはこちらでやっておきます」
「宜しいのですか?」
「何、これも仕事です」
サザーランドは述べた。
「少なくとも軍人として恥ずかしくない行動を取るのは」
「それではお願いできますか」
「ええ。貴方達にはまた仕事があるでしょうから」
「少しはゆっくりとしたいものですがな」
「残念ですがそれは無理かと」
サザーランドは苦笑いでそれに応えた。
「今こちらにオーブから連絡がありました」
「オーブから」
「はい。すぐにこちらに来て欲しいと」
「ウズミ首長からですか」
「それとムルタ=アズラエル議長から」
「アズラエル議長から」
「はじめまして、ロンド=ベルの皆さん」
金髪で青いスーツの男がモニターに姿を現わした。
「ムルタ=アズラエルです。おっと、はじめてではない方も大勢おられましたね」
「へっ、生憎な」
火麻が減らず口で彼に応えた。
「どうやら元気そうじゃねえか」
「まあこちら
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