第百二十話 自由と運命
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時パトリックはシーゲルと話をしていた。
「パナマにか」
「そうだ」
パトリックは深刻な顔でシーゲルに語っていた。
「おそらくはボゾンジャンプだな。それで両軍が移動したのだ」
「そうだったのか」
「困ったことになった」
「今はパナマで交戦中なのだな」
「そうだ。部隊にはグングニールを放つように命じた」
「あれをか」
「あれで連邦軍を止める。そして勝つ」
パトリックは言い切った。
「ロンド=ベルは無理でもな。かなりの部隊を無力化出来る筈だ」
「それで戦いに勝つか」
「それで講和に持ち込みたいが。難しいか」
「どうかな。だがやってみるしかあるまい」
「うむ。ところでラクス嬢だが」
「駄目だ、行方はわからん」
「そうか」
「何処に消えたのやらだ。バルトフェルド将軍とその部下達も姿を消したしな」
「戦艦もだったな」
「エターナルがな。おそらくは」
「わかった。それはこちらで手を打つ」
「済まないな」
「何、御前が関係ないのはわかっている」
そう言って友を宥めた。
「だが。暫くの間は名目的とはいえ軟禁状態になってしまうが」
「それはわかっている」
シーゲルもそれを受け入れた。
「受け入れるから安心してくれ」
「済まないな」
「そしてグングニールを使った後はどうする?」
「連邦軍に降伏を勧告する」
パトリックは政治的な判断を下した。
「それもまた外交材料だ。プラントの寛大さを示すのだ」
「上手くいけばいいがな」
「少なくとも連邦軍は話のわかる人間がいる」
パトリックもそれは見抜いていた。
「ティターンズとは違う」
「そういえばそのティターンズだが」
「ああ」
「コロニーレーザーを改良すると共に新しいコロニーレーザーを作っているそうだ」
「新型のか」
「そうだ。それへの対策も講じていかないとな」
「わかった、ではそちらもだな」
パトリックはすぐに断を下した。
「すぐに調査及び対策を講じる」
「頼むぞ」
「ではな。早く話が終わればいいが」
「若しもの時は私が連邦と話をする。まさか軟禁中の人物が動くとは誰も思ってはいない」
「そうだな。それを考えると御前の軟禁も使えるか」
「そういうことだ。ではな」
「うむ」
シーゲルは兵士達に伴われて退室した。そのまま軟禁状態に置かれることとなった。
彼と入れ替わりにアスランが部屋に案内される。パトリックは議長の顔になり彼を迎えた。
「よく来たな」
「はい」
敬礼の後で話がはじまった。
「まずは聞きたいことがある」
「私にですか」
「ラクス=クライン嬢からは連絡はあったか」
「えっ」
「あったのか?」
「いえ、何も」
何かと思えばいきなり突拍子も無い話だったのでアスランは面食らった。パトリックはそんな彼にさらに言う。
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