第百二十話 自由と運命
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故こうも簡単に連邦軍に核が行き渡り、そしてユニウスセブンに近付けたのか」
「それは」
言われてみればそうである。今まで攻撃されたという事実だけを見て、その背後については深くは考えてはいなかった。連邦軍の造反勢力がティターンズへ向かう手土産にしたのだと思っていた。実際にジブリール達ブルーコスモスの急進派がティターンズに参加したからである。
「私はまずそれを不思議に思いました」
「そしてどうされたのですか?」
「詳しいことを調べました。そしてあることがわかりました」
「あること・・・・・・」
「あの事件の黒幕、そして連邦とプラントを戦いに誘い込む男のことが」
「それはブルーコスモスではないのですか?」
「違います。そしてティターンズでもありません」
「ネオ=ジオンでもありませんね」
「はい。彼等でもありません」
「じゃあ一体」
「それはプラントの中にいたのです」
「プラントの中に!?」
「そうです。その男の名は」
アスランは自分が唾液を飲み込むのを感じていた。二人の間を緊張が支配していた。
ラクスは遂に言った。その男の名を。
「ラウ=ル=クルーゼ」
「馬鹿な」
アスランはすぐにそれを否定した。
「クルーゼ隊長が。どうして」
「これを御覧下さい」
ラクスはここでファイルをアスランに差し出してきた。上着の袖に入れていたものだ。
「ここに証拠があります」
「嘘だ、まさか」
「私が嘘を言うと思われますか?」
アスランの目を見て問う。
「嘘だと思われるのならば何時でも私を撃って下さい」
「うっ」
ラクスの性格は知っていた。嘘を言う人間ではない。だがだからこそ。アスランは今の言葉を信じられなかった。
「これですよね」
だがまずはそのファイルを受け取ることにした。
「それは」
「はい、御読み下さい」
ラクスは言った。そしてそれを渡した。
「そこに今わかっている全てがあります」
「そうなのですか。この中に」
アスランはそのファイルを読みはじめた。そこには恐るべきことが書かれていた。
「まさか。それで人類を」
「彼がそう考えているのか、そしてその組織の名はまだ私もわかりません」
ラクスは述べた。
「それはまだ調査中です」
「そうなのですか」
「ですが。これでおわかりになられましたね」
「はい」
アスランはこくりと頷いた。
「彼が何を考えているかが」
「ええ」
「そして私は貴方にもまた力を貸して欲しいのです」
「俺にも」
「そのファイルはお渡しします。そしてそれを手に地球へ」
「地球へ」
「私は彼のことがよりわかり次第ロンド=ベルに合流します。ですから貴方も」
「プラントを裏切れというのですか?」
「違います。プラントの為、いえ人類の為にロンド=ベルに入って頂きたいのです」
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