第百十七話 開かれる運命の扉
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こで基地を築くことができれば」
「それに越したことはないね」
「はい。連邦軍の戦力が日本に集中している今こそが好機です」
ロゼは言う。
「できればこの太平洋に基地を築きたいですね」
「そうだね。だがその前に」
「ロンド=ベルを叩かなければ」
「そうだ。まさかこんな時に出て来るなんて」
マーグは悩ましげな顔を浮かべて呟いた。
「中々。上手くはいかないみたいだ」
「ですがどちらにしろロンド=ベルは倒しておかなければならない相手」
そう語るロゼの目がきつくなる。
「戦闘を交えるのはそれはそれでよいかと」
「わかった。ところで」
「はい」
話は変わった。
「あのコロニーの勢力だけれど」
「ザフトですか」
「そうだ。彼等はどうするべきかな。シャピロの軍勢がかなりやられたけれど」
「まずは放っておいてよいかと」
ロゼはそう提案した。
「放置なのか」
「はい、彼等の勢力は今地球で展開している勢力の中では最も小さいものです」
ロゼは正確に地球の諸勢力の力を分析していた。
「ですから。彼等はまずは泳がせておきましょう」
「わかった。それじゃあ彼等には積極的に攻撃は仕掛けない」
「はい」
「プラント本土への攻撃も控えておこう」
「それもですか」
「戦うのは武器を持つ者だけでいいさ」
マーグは言う。
「武器を持たない相手には。攻撃はしない」
「わかりました」
それがマーグの考えであった。ロゼはもうそれはよく知っていた。これまでの彼との行動で。
「それでいいね」
「私はそれでいいですが」
「何かあるのかい?」
「最近銀河外辺方面軍もまた地球に向かうという話がありまして」
「彼等がか」
マーグはそれを聞いて顔を曇らせた。
「はい。あの軍にはハザル=ゴッツォ司令がおられます」
「そしてグラドスの軍もな」
「彼等は民間人であろうと関係ありません」
「だから私は彼等は好きにはなれないのだ」
嫌悪感を露わにして言う。
「どうにもな」
「左様ですか」
「向こうも同じだと思うけれどね。彼等もまた私を嫌っている」
「おそらくは」
「彼等には介入させたくはないが」
「では私達だけで」
「そうしたい。その為にも」
「はい、地球制圧を急ぎましょう」
ロゼはもうマーグの忠実な副官となっていた。自身の本来の責務は封じていた。彼の心を知り、彼と共に戦おうと誓ったのである。そして今ここにいるのであった。
バルマーとロンド=ベルの戦いは熾烈なものであった。圧倒的な物量で迫るバルマーに対してロンド=ベルは質と戦術を駆使して立ち向かっていた。
戦局は互角であった。だがマーグが前線に出ていることが仇となった。
「タケル!行くんだな!」
「ああ!」
エイジに応える。
「あの戦艦は間違いない!兄さんのだ!な
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