第百十七話 開かれる運命の扉
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え事があってな」
「足つきのことですか。もう三日ですよね」
「奴等は絶対に来る」
アスランは言う。
「だからここで待つ。絶対にな」
「そうですか」
「そろそろだしな」
言葉が少し強くなった。
「奴等が出るのは」
「そうですか。ところで」
「何だ?」
ニコルが急に笑みを作ってきたので目をしばたかせた。
「いきなり隊長にされて大変でしょうけれど」
「あ、ああ」
「何でも一人で抱え込まないで下さいね。僕やミゲルさん、フィリスさん達がいますから」
「ああ」
「イザークやディアッカも口ではああ言ってますけど皆貴方のことを大事に思っていますから」
「そうなのか」
「もうすぐ偵察に出ているエルフィさんやジャックさんが戻ります。それで少しくつろいで僕の曲でも聴いてくれませんか?」
「けどこの艦にはピアノは」
「CDに収めてきたんですよ」
ニコルは微笑んでそれに返した。
「それで」
「そうだったんですか」
「あっ」
ここでニコルは急に声をあげた。
「アスラン、あれ」
「あっ、あれは」
それは飛び魚達だった。水面で跳ねていた。
「何か不思議な光景ですね」
「そうだな、プラントじゃあんな魚いないからな」
アスランもその飛び魚達を見ていた。見ていると何か心が和む。
「奇麗ですよね」
「そうだな、水飛沫が」
「ああ」
二人は目を細めて飛び魚達を眺めていた。眺めるうちに心が和んでいく。そしてその後で皆でニコルの曲を聴いた。それが終わってすぐにロンド=ベルが出撃したと報告があった。束の間の骨休めであったがそれが彼等にとって忘れられないものとなったのであった。
アスラン達はすぐにロンド=ベルに追いついた。彼等はやはりバルマーの軍勢と戦っていた。
「何だよ、またバルマーかよ」
マーシャル諸島の小島の上であった。今度はロンド=ベルの面々は陸上にも展開している。ディアッカはそこで戦う両群を見て呟いたのである。
「何かこう同じ顔触ればかりだとな」
「いえ、何か違いますよ」
だがシホがここで注を入れてきた。
「何っ!?」
「ほら、あそこの赤いマシン。あれは」
「やばいのがいるな」
イザークはそれを見て顔を顰めさせた。
「バルマーに赤いとんどもない強さのマシンがいるって聞いてるがあれか」
「敵も今度は本気だというわけだな」
「そうみたいですね。数も多いですし」
ニコルがミゲルに応える。
「どうやら敵の司令官も着ているようです」
「あれですね」
ジャックが指差す。
「あの大きな戦艦」
「ですね」
フィリスがそれに頷く。
「あの紫の変わった戦闘機は」
エルフィはロゼのゼーロンに気付いた。
「何度かロンド=ベルとの戦闘が報告されています」
「俺達は連中とも戦うのか?」
「いえ、今回は大丈夫
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