第百十六話 運命の歯車
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ていたのだ。
「その時俺がアスランに言ったんだ。それは違うって」
「アスランさんって意外とそういうところあるのね」
「ああ、あいつ案外奥手なんだよ」
シンは笑って言った。
「額が広いのを結構気にしているしな」
「ふうん、そうなんだ」
「ディアッカもな。よくそれをからかってるしな」
「ディアッカさんって明るい人みたいだね」
「ああ、いい奴だよ」
意外とディアッカとは仲がいいようである。
「あれでよく気がつくしな」
「へえ」
「けれど一番いい奴はニコルだな」
「ニコルさんなの」
「凄く優しいんだ。俺も何かと助けてもらってる」
「そうなの」
「ピアノも上手いんだよ」
「ピアノも!?」
「コンサートも開いてるしな。今度マユも連れて行ってやるよ」
「うん、お願い」
兄に言われて顔を輝かせる。
「一緒に行こうね」
「ああ、その為にもこの戦争終わらせるしな」
「うん」
「何があっても。俺はマユを守るから」
シンは他の者には決して見せない優しい目をして妹に言っていた。
「父さんも母さんもな」
戦いの前のほんの一休みであった。だがそれはシンにとっては心地よい日々であった。
次の朝シンはランニングをしていた。そこにハイネがやって来た。
「ハイネ」
「奇遇だな」
シンが赤いジャージ、ハイネはオレンジだった。二人は並んで走りはじめた。
「俺もオフを取った」
「そうか」
「ギターとかを鳴らしているけれどな。平和なものだ」
「そうだな。プラント本土はまだ」
シンもそれに応えた。
「のどかだよ。ユニウスセブンのことはあったが」
「あれはな。残念なことだった」
「ここが狙われていたら俺の家族も駄目だっただろうな」
「ああ」
「あんなことは二度と起こって欲しくない」
シンは言う。
「絶対にな。何があっても」
「その為にも俺達が頑張らないといけない」
ハイネも言う。
「負けるわけにはいかないぞ」
「ああ、わかってる」
「御前はデスティニーを受けたし」
「あんたはセイバーだったな」
「もうオレンジに塗ってもらっている」
レイは答えた。
「それでスピットブレイクに参加する」
「おいおい、あれもオレンジなのかよ」
それを聞いて思わず声を出してしまう。
「本当に好きなんだな、オレンジが」
「ミゲルもそうだがな」
ハイネは述べた。
「俺はオレンジでないと駄目だ」
「そうなのか」
「御前は別にどんな色でもいいみたいだな」
「別に色にはこだわりはしないさ」
それがシンの考えであった。
「戦えればな。それでいい」
「そうか」
「それでだ」
シンは話題を変えてきた。
「スピットブレイクの目標はパナマだったな」
「そうらしいな」
彼等はそう聞いていた。実際に殆どの者がそう思っ
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