第百十四話 マドラスにて
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なんだよ。何でこう簡単に道に迷うかねえ」
「ちぇっ」
「待つがよい」
だがここで声がした。
「その声は」
マサキのよく知る声であった。
「ティアンかよ」
「左様、御主を探しておったのじゃ」
「探してたって」
「皆心配しているぞ、早く帰ろう」
「ファング」
ティアンだけでなくファングもそこにいた。どうやら彼を探していたのは事実であるようだ。
「プラーナでわかったのじゃ」
ティアンは言う。
「御主のプラーナがな。ここにいると教えてくれたのじゃ」
「俺のプラーナが」
「私達にはよくわからなかったけどティアンは一応元お坊さんだからね。そういうのもわかるみたい」
二人と一緒にいたロザリーが言う。
「そんなに強く出てるのかよ」
「このインドは特別な地故」
ティアンも何時になく物々しい。
「プラーナもはっきり見れるのじゃ」
「そんなもんか」
「マサキ、御主のプラーナはとりわけ強くなっておるようじゃ」
「俺のがか」
「それをこれから生かすかどうかは御主次第」
ティアンは言う。
「では帰るとしよう。帰ってカレーじゃ」
「ここは牛肉のカレーはねえけどな」
「なぬっ!?」
それを聞いてティアンは普段のティアンに戻った。
「それはどういうことじゃ!?」
慌てた顔でマサキに問う。
「だってよ、ここインドだぜ。インドは牛肉食べねえぜ」
「そういえばそうだったニャ」
「神聖な動物だったんだよな」
クロもシロもそれは知っていた。
「うぬぬ、そうだったのか」
「そうだったのかってティアン」
ロザリーが呆れた顔で彼に問う。
「あんた昔仏教はインドで生まれたって言ってたわよね」
「うむ」
「それで何で知らないのよ」
「忘却もまた真理」
神妙なふりをして述べる。
「そういうことじゃ」
「訳わからないわよ」
ロザリーはそう抗議する。
「全く。お坊さんなのに肉も酒も平気だし。どうなってるのよ」
「そういうことは言っても無駄だぜ。何しろ破戒僧なんだからな」
マサキが付け加える。
「戦闘になったら大暴れするし。とんでもないお坊さんね」
「まあいい。それでは帰るとするか」
ファングが言った。
「マサキも見つかったしな」
「そうね、これでロンド=ベルにね」
彼等は帰還した。そして数日休んだ後でマドラスから北インドに向かった。攻撃目標は既に決まっている。ネオ=ジオンの軍勢であった。
「今度はネオ=ジオンなんですね」
トールがアークエンジェルを操縦しながらふと言った。
「そうだ」
ナタルがそれに答える。
「ザフトとティターンズが地球に降下してきた時に彼等も効果してきたのだ」
「そうだったんですか」
「来ているのはアナベル=ガトーだ」
「ソロモンの悪夢ですね」
サイがそれを聞いて言った。
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