第百十四話 マドラスにて
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「だから気にするな」
「そういうものか」
「ああ、ところでなアスラン」
「どうした?」
「いや、何でもない」
何かを話そうとしたところで止めた。
「気にしないでくれ」
「そうか。ならいいんだが」
「ああ」
「よおアスラン」
いきなり扉が開けられディアッカ達が部屋に入って来た。
「俺達の部屋はここだってな」
「あっ、来たか」
「元気そうだな」
アスランとミゲルはディアッカ達の姿を見て顔を上げる。
「おう、アフリカから奇跡の生還だぜ」
「これからまた世話になるぞ」
そこには勿論イザークもいた。ザラ隊勢揃いである。
「よし、これで役者は揃ったな」
「ああ。では早速これからのことについて話すか」
再び揃う仲間達。彼等はまだ知らなかった。皆これから銀河の果てまで果てしない旅を巡ることも。ニコルもミゲルもまだそれは知らなかった。
「御苦労だった、諸君」
ジブラルタルを奪還したロンド=ベルの面々はミスマルから労いの言葉を受けていた。
「これで北極に展開しているティターンズへ戦力を向けることが出来る」
「ではこれから北極へですね」
「いや」
だが彼はマリューの言葉に首を横に振った。
「ティターンズには今何かと通商破壊工作等を受けていてな。本格的な攻勢に転じるのはまだ先だ」
「そうなのですか」
「今は地中海を完全に押さえ、そこからロシア、そしてドイツ方面から彼等への戦力を集結させたい。本格的な攻勢はまだ先のことになる」
「では我々はこれからは」
大文字が問う。
「ミケーネのいる日本でしょうか」
「いや、実は君達にはその前に向かってもらいたいところがある」
「それは」
「マドラスだ」
ミスマルは述べた。
「マドラスですか」
「そうだ、そこで補給を受けて北インドに進出しようとしているネオ=ジオンを迎え撃ってもらいたいのだ」
「それではそちらに」
「うむ、頼むぞ」
「わかりました」
「それからはアラスカに行ってもらいたい」
「アラスカ、ですか」
ロンド=ベルの面々はそれを聞いて少し眉を動かした。
「何故そちらへ」
「ザフトが大規模な攻勢を仕掛けようとしているのだ」
「大規模な、ですか」
「その作戦の名はスピットブレイク」
ミスマルは言う。
「オペレーション=スピットブレイクだ。それを地球に仕掛けようとしているらしい」
「何と」
大文字はそれを聞いて声をあげた。
「北アフリカを失い、まだそうした攻勢に出るとは」
「彼等も必死だということだ。宇宙から戦力を降下させるつもりらしい」
「その場所がアラスカだと」
「パナマだというのがもっぱらの情報だがな。だがアラスカは北極に近い」
「北極に」
ティターンズのいる北極である。
「そう、北極の側に降下して。そこを占拠するこ
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