第百十三話 シンとステラ
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第百十三話 シンとステラ
「そうですか、二人は無事でしたか」
「はい」
ラクスは自室のテレビ電話で盲目の黒髪の男と話をしていた。
「ただバルトフェルド殿はかなりの重傷ですが」
「大丈夫なのですか!?」
「御命は何とか。ただ、片目と片腕、片脚が」
「そうなのですか」
バルトフェルドの負傷を聞きラクスは顔を暗くさせた。
「ですが御命はあります。すぐに復帰できるでしょう」
「それは何よりです」
「そしてダコスタさんですが」
「はい」
話は続く。
「今カーペンタリアに入られ、そこからプラントに戻られます。すぐにそちらに向かわれるかと」
「わかりました。ではダコスタさんともお話を」
「そうされると宜しいかと」
「はい。そして」
「そして!?」
「あのことは何かわかりましたか?」
「いえ、まだ」
盲目の男の返事はラクスが期待したものではなかった。
「ですが存在するのは確かです」
「やはり」
「それはプラントの中にあまりにも深く入り込んでいます。プラントで彼等を排除するのは難しいでしょう」
「ではどうやって」
「プラントの外から除くしかありません」
マルキオは述べた。
「それ以外に有効な手立ては」
「プラントの外から」
「ラクス様」
男はあらためてラクスに声をかけた。
「いざとなれば一先プラントを離れられてもいいと思います」
「プラントを!?」
「そうです、そして外から彼等を除くのです」
「ですがそれは」
「さもなければプラントも地球もありません」
迷うラクスに男の声が強くなる。
「我々の目指す世界もまたありません」
「我々の世界が」
「はい、この世界が崩壊すれば」
彼は言う。
「何もありません」
「では動くしかないのですね」
「そうです」
男はまた言った。
「ですからその時にも備えて下さい。宜しいですね」
「わかりました。ところで」
「ところで?」
「外に出てもどなたと御一緒すれば宜しいでしょうか」
「御一緒といいますと」
「私達だけでは力は限られているでしょう」
「はい」
男もそれはわかっているようであった。
「ですから。御一緒させて頂く方々を」
「ロンド=ベルですね」
「ロンド=ベル」
その名はラクスもよく知っていた。一時的に彼等と共にもいたのだから。
「彼等ならば信頼出来ます」
「そうなのですか」
「はい、彼等なら」
男は言う。
「きっとラクス様に協力してくれるものと思います」
「そうですか、では」
「力はもう持っておられますか?」
「三人のパイロット達と一隻の戦艦を」
「おお」
男はそれを聞いて笑みを浮かべた。
「もう用意しております」
「それは何よりです。ですが」
「はい、彼等の力が必要です
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