第百十三話 シンとステラ
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」
もう一人の少年がやって来た。
「こっちだ。ってあれ!?」
ここでアウルはシンに気付いた。
「一緒ってそういえば」
「あっ、別に怪しい者じゃありません」
シンはアウルに応えた。
「俺はザフトのパイロットです。名前はシン=アスカ」
立ち上がってアウルとスティングに言う。
「彼女を保護していました」
「ふうん、保護ねえ」
アウルはそれを聞いて何か言いたげな顔になった。
「本当にそうだったらいいけれど」
「おい、アウル」
スティングがシニカルな言葉を口にする彼を窘めた。
「どうやら別に悪意はないらしい。止めておけ」
「そうか。悪いな」
「いや、いいよ。ところで彼女は君達の家族か何かかい?」
「まあそんなところだ」
スティングがそれに答えた。
「ずっと一緒なんだ」
「そうか。じゃあ彼女はそちらに引き渡すな」
「ああ、是非そうしてくれ」
スティングが応対を続ける。
「ずっと探してたんだ。何処に行ったのか心配していたんだ」
「じゃあよかった。これで見つかったからね」
「ああ。済まないなザフトの赤服さん」
「いや、いいよ」
シンは微笑を浮かべてそれに返す。
「これも何かの縁だったし」
「そうか。じゃあステラ」
スティングはステラに声をかける。
「一緒に帰ろうな」
「うん、スティング」
ステラは彼の言葉に頷く。
「ステラ一緒に帰る」
「わかった、じゃあな」
「有り難うな、軍人さん」
アウルがシンに礼を述べる。
「疑ったりしたのに親切にしてもらって」
「だからそれはいいさ」
シンは笑みでそれに返す。
「俺だって妹がいるし。プラントに」
「へえ、お兄ちゃんってわけか」
「あんた達もそうなんじゃないのか?」
「まあそこは複雑なんでね」
スティングは少し苦笑いを浮かべていた。
「色々と事情があるんだ」
「そうなのか」
「まあそこは言わないからそっちも突っ込まないでくれよ」
「わかってるさ。それじゃあここはもうすぐ危なくなるから」
「ああ、下がらせてもらうぜ」
「そうしてくれ。じゃあまた」
「ああ、またね」
「元気でな、ザフトの軍人さん」
「そちらこそな」
「シン、また会おうね」
シンと三人は心地よい別れの言葉を交あわせて別れた。シンは彼等と分かれると基地に戻った。スティング達はそんな彼を見送っていた。もうすぐ夕暮れから夜になろうとしていた。
「あまり悪い奴じゃなさそうだな」
「ああ」
スティングはアウルの言葉に応えた。
「ザフトだけれどな」
「むしろ俺達ティターンズの中にいる奴の方がな」
「まあそれは言うなよ」
微かに笑ってアウルに言葉を向ける。
「言っても仕方ないさ」
「そうか」
「シン、いい人」
「ああ、そうだな」
スティングはステラにも言
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