第百十三話 シンとステラ
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くんだ」
「バサラさんの歌を」
「聴くか?今なら新曲を聴けるぜ」
「よかったら」
「おう、じゃあ早速はじめるか!」
バサラはギターをかなではじめた。
「おめえにだけ特別だ!」
「僕の為に」
「俺の歌で!弱気なんか吹き飛ばせ!それに安心しな」
「安心って」
「あの旦那なら生きてるぜ」
バサラは言った。
「だから安心しやがれ!」
「だといいですけど」
「俺にはわかるんだよ!勘でな!」
「勘って」
「何もかもわかるんだよ!だからウジウジするな!いいな!」
「は、はい!」
「わかったならいい。じゃあ聴け!」
命令であった。これがバサラのスタイルだ。
「俺の歌をな!」
聴いてもらうのではない、何があっても聴かせる。今はそれがキラの心を癒すのであった。
「バサラも考えてるんだ」
それを聴いたミレーヌがぽつりと言った。
「あんなに馬鹿なのに」
「あいつはあいつなりにいつも考えているんだ」
それに応えてレイが言う。
「戦争のことも仲間のこともな」
「自分の歌のことだけしか考えていないように思えるけれど」
「ああした奴だけれどな。それでもだ」
「そうかな」
そう言われても今一つ実感が湧かない。
「本当に何も考えてないっぽいけれど」
「いや、あいつは仲間思いだ」
金竜も言う。
「何かと仲間のことをあれこれと考えているんだ」
「大尉もそう思うんですか?」
「そうさ、レイと同じだ」
「ふうん」
「ミレーヌちゃんと同じ位な」
「そりゃ私だってキラさんには元気になって欲しいですよ」
彼女にとっては最初からコーディネイターなぞどうでもいい話だった。
「大切な仲間なんですから」
「優しいのね、ミレーヌは」
ミリアがそれを聞いて言った。
「彼のこともちゃんと考えて」
「だから仲間なんですから」
それがミレーヌのキラに対する考えであった。
「やっぱり助け合わないと。そうでしょ」
「それにまた戦いですしね」
ガムリンが述べた。
「戦力としては彼の存在は非常に有り難いです」
「そうだな」
金竜がそれに頷く。
「もう立派なエースパイロットだ」
「フラガ大尉と一緒に。頼りになる存在です」
もうロンド=ベルにとってキラはなくてはならない存在の一つとなっていたのだ。それを皆無意識のうちに認めていたのである。
「ですからここは」
「立ち直ってもらわないとな」
ドッカーが言った。
「困りますね」
そしてフィジカも。
「そういえばあの砂漠の虎だけど」
「どうしたんですか?」
ガムリンは今度は柿崎に顔を向けた。
「生きているって話だな」
「生きてるんですか!?彼」
「どうもそうらしいぜ。あの赤い犬マシンのコクピットが開いていたらしい」
「そうだったんですか」
「生きてりゃまた会
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