第百十三話 シンとステラ
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それはすぐに打ち消した。
「そんなわけないです。気のせいです」
「そうか。何のことかわからないが」
ムウはそれ以上聞こうとはしなかった。
「じゃあいいさ。それよりな」
「はい」
「基地を掌握していこうぜ。それで捕虜は後方に送る。いいな」
「捕虜ですか」
「殺しちまう、なんてのは流儀じゃねえだろ?」
「そんなことは」
キラに出来ることではない。コーディネイターやそうした問題ではなくだ。
「俺達は三輪長官とは違う。捕虜もきちんと扱わないとな」
「当然じゃないんですか?それって」
「けどそうじゃない人もいるってことさ」
そうキラに教える。
「それも覚えておくといい」
「・・・・・・酷いですね」
「そうした酷いのが上司にいるとな。たまらないぜ、これがまた」
三輪についてはもう言うまでもない。おかげで部下達がかなり苦労しているのだ。岡やイゴールの苦労が偲ばれる。その非道さはコーディネイター強硬派であるアズラエルですら呆れる程なのだ。
「まあ俺達はそんなことはないようにな」
「わかりました」
キラは頷く。
「じゃあここは常識に沿って」
「はい」
「戦後処理を済ましていこう、いいな」
「了解」
既にロンド=ベルの面々はそれにあたっていた。ジブラルタルの戦いは終わったのだ。だから彼等はそれにあたっていたのである。
「クッ、また発作か・・・・・・」
クルーゼはその時自室にいた。そこで何やら苦しんでいた。
「いつもいつも。こればかりは・・・・・・」
だが机の棚から薬を取り出しそれを飲むとすぐになおった。そして落ち着いたところに扉をノックする音が聞こえた。
「入れ」
入るように言う。するとレイがやって来た。
「・・・・・・君か」
「言いたいことがあってここに来たんだ」
レイは言う。
「ラウ、悪いけれど僕は」
「そうか」
クルーゼはそれを聞いて納得したわけでもなく応えた。仮面からは何の表情も読み取れない。
「ならいい」
「それで僕をどうするんだい?」
レイはクルーゼを見て問う。
「拘禁するのかい?それとも」
「何故そんなことをする必要がある」
クルーゼは口だけで笑ってみせた。
「私が君を害する筈はないだろう」
「じゃあ」
「好きにしたまえ。君の人生だ」
「ラウ・・・・・・」
「ただしこれだけは言っておく」
そのうえで言った。
「私は何があってもやり遂げる」
声は強いものであった。
「それはいいな」
「・・・・・・わかったよ。じゃあ僕は」
「彼が戻って来るぞ」
「シンが」
「そうだ、君の友人がだ」
ジブラルタルのことはもう彼等も知っているのだ。
「また彼と共に戦うことになるだろうな」
「多分」
「君には新型のガンダムが与えられるだろう」
「新型の?」
「そう、
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