第百十話 宇宙に降る星
[5/21]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「あれで話はわかるんだ。凱と喧嘩した後でもね」
「しかしよく生身で凱と喧嘩する気になったな」
鉄也にとってはそれも恐るべきことであった。
「あの時大変だったのよ。このライオンロボがって」
「ライオンロボか、それはまた」
大介がそれを聞いて苦笑いを浮かべる。
「そんなことを言われても俺はどうってことはないんだがな」
そんなことで動じる凱ではない。
「ただな、人の命を軽く見るのは許せないんだ」
「実は彼はそれも意識しているよ」
「そうなのか?」
「企業のイメージダウンになるからね。そういうことさ」
「はあ」
「まあ彼の場合は使いようってことさ。連邦についているのもそちらの方が儲けになるしね」
「世の中悪人でも使いようがあるってことだよ」
「悪人にも種類があるってことさ。メガノイドみたいな連中は別だけれどね」
「ザフトはどうかな」
大介が当面の敵に言及してきた。
「彼等もかなり危険な思想を持っているが」
「まずは彼等の意見が全部そうなのか確かめないといけないな」
万丈は真剣な顔になった。
「全部が全部ああしたコーディネイター至上主義を考えているのなら問題だけれど」
「そうでないならば」
「理解出来る相手ならば努力しなければならない」
万丈は言った。
「それが人間としてのあるべき姿だと僕は思っているけれどね」
「で、そのアズラエルさんだけれど」
ひかるが凱に尋ねた。
「その後どうなったの?」
「とりあえず喧嘩は収まったけれどな」
凱はそれに答えた。
「それからも色々あって何度か喧嘩した」
「それでも向こうは何か妙に凱さんのことが気に入っちゃったらしくてGGGにも資金援助をしてくれたりしているの」
「へえ、何かいいじゃない」
マリアがそれを聞いて声をあげた。
「いいかどうかは別にしてそれで助かってるわ」
「俺達だけが戦ってるわけじゃないからな」
「何はともあれアズラエル財団はこっちにいるのね」
「そういうこと」
「じゃあ今はよしってところかしら」
「ただ、彼はコーディネイターは嫌いだからね」
万丈は釘を差すようにして言った。
「それは気をつけてね」
「了解」
「何かサイボーグや他の星の人がいるのに今更って気がするけれど」
「そういえば彼はそれはいいみたいだな。何かそこがわからないけれど」
人には矛盾がつきものだということだろうか。少なくともロンド=ベルの面々はアズラエルという男に対して認識を持ったのであった。
暫くして出撃の時が来た。アークエンジェルの中もモビルスーツ等のチェックにあたっていた。
「おい坊主」
マードックが格納庫の中でキラに声をかける。
「そっちのチェックが済んだら次は電装系だ、いいな」
「そちらはやっておきました」
「おっつ、気が利くな」
マード
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ