第百十話 宇宙に降る星
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とだな。ジブリール副理事もまた」
「ただ、彼に共感する者達がティターンズに集まっているのは見過ごせませんな」
大文字がここで述べた。
「それによりティターンズは勢力を盛り返しております」
「そうだ、北極にいるティターンズに事実上手をこまねいている」
ミスマルもそれを認めた。
「何とかしたいがまずはその為には」
「北アフリカの確保を」
「そうだ、宜しく頼むぞ」
「わかりました」
こうして今後の戦略が決定した。北アフリカのザフト軍を討つ。ロンド=ベルは地球へ降下する準備に入ったのであった。
「なあ凱さん」
甲児が彼に声をかけていた。
「何だ?」
「あんたブルーコスモスの理事と知り合いなんだって?」
「ああ、一応な」
凱はそれに答えた。
「アメリカでちょっとな」
「ふうん、そうだったのか」
「そこでゾンダーが現われた時にな。知り合ったんだ」
「あの時はゾンダーに勝った後が大変だったのよ」
命が言った。
「大変って?」
「その後ね。タイヤ工場が壊れててアズラエルさんカンカンで」
さやかに応えて言う。
「凱とアズラエルさん大喧嘩したのよ」
「あれは仕方なかったんだ」
凱がそれに応えて言う。
「工場を取るか人を取るかだったからな」
「それで人は助かったってわけだな」
「そうさ。工場の中の人達を優先させたんだ」
「だったらいい話じゃねえか」
「ところがね、工場が全壊しちゃって」
命はさらに言った。
「ゴルディマーグが派手に砲撃して炎龍と雷龍も当たるを幸いだったから。それで」
「そのアズラエルさんが怒ったんだな」
「そういうこと。で、隊長の凱と」
「工場なんか幾らでも替わりがあるが人間はそうはいかないんだ」
凱は強い声で言った。
「それをやっただけだ。俺は間違ってはいない」
「まああの人はああした人だから」
ここで万丈が出て来た。
「万丈さん」
「彼は財界の中でも吝嗇で有名なんだ」
「吝嗇って何だわさ」
「ボス、ケチってことですよ」
「そうそう」
ヌケとムチャがボスに囁く。
「何だ、ケチンボなのね」
「まあ簡単に言うとそうなるね。彼はとにかく損失とかを嫌うんだ。極端な商業主義でね」
「へえ」
「それに前はかなり強硬に地球至上主義を唱えていたけれど。これは変わったね」
「またどうして」
「さあ。凱君と会ったせいかな」
「凱とか」
鉄也がそれを聞いて目を見張った。
「それってやっぱり喧嘩の後なのね」
ジュンが続いて万丈に問うた。
「そうだね。それから人間以外にもある程度の理解を身につけるようになった。まあここでも商業主義なんだけど」
「つまりは全部お金ってことね」
「何か嫌な奴っぽい」
「変人で悪人なのは事実だけどね。道理はわきまえているよ」
「はあ」
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