第百九話 暗黒の支配者
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すぐにリヒテルに声をかけた。
「承知!」
リヒテルもそれに頷く。そしてすぐに動いた。
そのままダリウスの両端を押さえる。突然の動きにダリウスも動きを止めてしまった。
「は、放せリヒテル、ハイネル!」
「ダリウス!バームの民を貴様の道連れにはさせんぞ!」
「死ぬのは貴様だけだ!」
「ハイネル兄さん!」
「健一、大次郎、日吉」
ハイネルは弟達の名を呼んだ。
「そなた等が余を兄と呼んでくれたこと、余にとっては無常の喜びだ」
「兄さん・・・・・・」
「そこまで」
「だからこそ安心しろ。余は必ず帰る」
「兄さん!」
「だからこそだ!そこで見ておくがいい!」
「悪が滅び正義が残る時を!」
「リヒテル!」
「竜崎一矢よ」
リヒテルは一矢を見据えていた。
「数多の勇者の中でも一際秀でたる勇者よ」
彼もまた今一矢と心を交あわせていた。
「また会うことになるだろう。銀河の為に」
「リヒテル・・・・・・」
「お兄様・・・・・・」
「その時の為に!今余はこのダリウスを葬る!」
「還って来るんだな!」
「無論そのつもりだ!だからこそ今は!」
「暫しの別れだ!さらばロンド=ベル!」
「また会おうぞ!」
「ボアザンと」
「バーム」
二人はそれぞれ言う。
「汝達の未来・・・・・・そして星々に永久の栄えあれ!」
彼等は同時に叫んだ。そしてそのままダリウスを連れて銀河の果てに消えるのであった。
「な、何と・・・・・・」
冷静なナタルも二人のあまりもの壮絶、そして見事な戦いに絶句していた。
「あれがプリンス=ハイネル、そしてリヒテル提督」
「立派ね」
マリューもあまりものことに言葉を失っていた。
「地球人とか、ナチュラルとかそんなものを越えて・・・・・・彼等は」
「彼等は全てを捨てて宇宙の為に」
「けれどそれは・・・・・・」
「いや、兄さんは生きている」
「健一君」
「俺にはわかるんだ。兄さんは約束を守る」
「兄上もです」
エリカも言った。
「兄上は誓いを破られぬ方です。ですから」
「帰って来るのね」
「はい」
「エリカさん」
マリューはエリカのその強い言葉を聞いて声をかけてきた。
「何か?」
「貴女は。強い人ね」
マリューにもそれがわかったのだ。
「そして美しいわ。貴女みたいな人だから一矢君も」
そしてさらに言った。
「そして貴女も。一矢君を愛したのね」
「有り難うございます」
「・・・・・・何故ここにいる皆が星を越えてわかりあえているかわかったわ」
マリューの目には涙さえあった。
「貴女や一矢君がいるから。そして」
「プリンス=ハイネル。ボアザンの誇り」
ナタルの目にも熱いものがあった。
「リヒテル提督。バームの翼」
「彼等の戦いに」
「ええ、敬礼を!」
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