第百八話 遥かなる凱歌
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向かったのであった。
「また行ってしまいましたね」
「相変わらず動きが速い」
氷竜と風龍がそれを見送って言った。
「何よ愛想のない奴ね」
「同感だなアスカ隊員」
「全くだ」
「そうよね、ったく」
アスカは炎竜と雷龍の言葉に頷いた。アスカはこの二体と仲がいいのである。
「けどこれで勝ちだもんね!」
「そうだな。それに」
ガルドはマイクの言葉を聞きながら低い声で述べた。
「奴には奴で果たさねばならん使命があるのだろう」
「何時かは今日の様にあいつと力を合わせて戦うことになるんだろうか」
「それはわからん」
ガルドは今度は洸に応えた。
「ヘッ、あの手の気障野郎は亮と隼人で充分だぜ」
最後に忍が言った。そこにユリカから全軍に通信が入った。
「状況の確認終了後オービットベースへ帰還します」
「了解!」
「各機帰還して下さい。ラーディッシュもオービットへ来て下さい」
「よし、わかった」
「何はともあれまずはこれで勝ちだな」
「ああ」
ロンド=ベルは月から引き上げオービットへ戻る。こうして最強七原種との戦いは終わったのであった。
「三重連太陽系、紫の星」
暗い巨大な玄室の玉座で何者かが語っていた。
「知的生命体が生み出すストレスの波動、マイナス思念を消去するために生み出されたゾンダーメタル」
その周りに何人かいた。彼等はその男の話を聞いていた。
「しかしそれは独自のプログラムによって暴走しはじめ無数の星々はあたまも病原体に冒されていく細胞のように滅んでいった」
「それがゾンダーなのですね」
「そうだ。そして」
男は話を続けた。
「滅亡していく緑の星と赤の星。しかしそこには病原体に打ち勝つ力を持った抗体が生まれていた」
「それがあの少年達というわけですね」
「そうだ。そしてその二つの抗体は青の星へ舞い降りた。宇宙と言う広大な生命を守るワクチンとして」
「そういうことでしたか」
「原種に対しては我等は動く必要はない。あの者達にやらせよ」
「わかりました」
「では辺境銀河太陽系方面に関する報告を聞こうか」
「辺境銀河方面監察軍第はアクシデントにより拠点を太陽系外へと移しましたがそれ以外は予定通りに進行しております」
「ふむ」
「必ずや陛下の御期待に沿う『選ばれし者』をここへ導くでしょう」
「だがシヴァーよ」
男は報告する仮面の男に問うた。見れば四つの目を持つ不気味な仮面であった。
「かってそなたの下から反逆者が出たな、名は確か」
「ユーゼス=ゴッツォ」
「左様、あの男だ」
「はい」
「そなたの分身であったな」
「はい」
シヴァーはそれに頷いた。
「ユーゼスはクロスゲートの秘密に触れそれを制御しようとした愚者です」
「全くだ」
「そして奴はその報いを受けラオデキア=ジュデッ
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