第百七話 原種の胎動
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(同じコーディネイターと戦って死ぬのよ。そうじゃないと許さないから)
その時だった。ふらりと小さな女の子がやって来た。
「あっ、ここにいたんだ」
「!?」
皆その女の子に顔を向ける。赤い髪の可愛らしい女の子であった。
「お兄ちゃん」
「僕!?」
「そう、お兄ちゃんだよ」
女の子はキラに対して言った。
「ここに来るまで私達の為に戦ってくれたんだよね」
「ま、まあそうだけど」
キラは戸惑いながらそれに答えた。
「けど。何?」
「それでね、御礼に」
「うん」
女の子は折鶴を出してきた。
「これ、あげる」
「僕に?」
「今まで守ってくれたから。その御礼に」
「御礼に」
キラは戸惑いを隠せなかった。そんな少女を見てフレイは咄嗟に思いついた。そしてそれをすぐに実行に移した。
「私もキラみたいに戦いたいんです!」
「フレイ!」
「何の罪もない人達を守る為に!そして戦争を終わらせて皆が安心して暮らせるようになる為に!」
「軍に入るのだな?」
「はい」
ナタルの言葉に強い声で頷いた。
「そのつもりです」
「わかった」
ナタルはそれを聞いたうえで応えた。そして言った。
「本人の意志であるならこちらとしては断る気はない」
「はい」
「では私に付いて来い。手続きをしよう」
「よろしくお願いします」
フレイはナタルについて行く。後にはキラ達と女の子が残された。キラは女の子に尋ねてきた。
「君の名前は?」
「エルっていうの」
女の子は名乗った。
「これから宜しくね」
「うん、こっちこそ」
「私達日本に行くことになったから」
「うん、そうらしいね」
「だから折鶴なの。大事にしてね」
「わかったよ、それじゃあ」
「なあ」
トール達はトール達で深刻な顔になっていた。
「どうする?」
「どうするって言われてもなあ」
サイはトールの言葉に困った顔をしていた。
「フレイも参加したし」
「けど俺達は」
志願するべきかしないべきか迷っていた。だがここで警報が鳴った。
「敵部隊発見、敵部隊発見」
「あの声は」
「命さんか」
「総員出撃用意!」
「敵!?」
「今度は一体」
「暗黒ホラー軍団だ」
そこにやって来たマイヨが彼等に言った。
「暗黒ホラー軍団が」
「そうだ。彼等との戦いも本格化している。激しい戦いになるぞ」
「戦いって」
「また」
「何はともあれ我々は行く」
マイヨは言った。
「地球を守る為にな」
「地球を」
「大尉殿、こちらです」
「うむ」
マイヨはプラクティーズと合流した。そしてナデシコに向かって行く。キラ達はそれを黙って見送っていた。だが彼等も決意していたのであった。
出撃前であった。アークエンジェルも出港にかかろうとしていた。ブリッジは人手が足りな
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