第百六話 出会いと別れ
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だからか」
「戦争か」
それを聞いてアスランがまた呟いた。
「そうだな、俺達は今戦争をしているんだ」
「今更何言ってるんだよ」
それにディアッカが突っ込みを入れる。
「だから今ここにいるんだろ」
「臆病風に吹かれたわけでもあるまい」
「ああ、それはない」
それは否定した。
「じゃあどうしたんですか?」
「いや、少しな」
アスランは少し上を見た。そして心の中で友のことを思った。
(キラ・・・・・・)
彼は今キラのことを想っていた。今彼はロンド=ベルでどうしているのか。それが気掛かりであったのだ。
「で、シンはどうしてるの?」
ミネルバの中ではルナマリアがシンのことをレイに尋ねていた。
「戻って来た時は何か獣みたいだったけれど」
「今はとりあえず落ち着いている」
レイがそれに答えた。
「あの携帯を見てな」
「ああ、妹さんのね」
「そうだ」
「妹さんの携帯見ただけで落ち着くの?電話も繋がらないのに」
「だがそれだけでいいみたいだ、今は」
「ふうん」
「録音させている声を聞いてな。気を落ち着かせている」
「だったらいいけれどね。艦長が心配してたから」
「そうなのか」
「あれだけ荒れてたら当然でしょう?何するかわからないじゃない」
「だが。今は大丈夫だ」
「だといいけれどね。じゃあそっちは任せたわよ」
「ああ」
その頃シンはレイの言葉通り彼とレイの部屋にいた。そこでベッドに座りながら携帯を動かしていた。
『お兄ちゃん、頑張ってね』
『元気でいてね、私も頑張るから』
「ああ、俺はやってやる」
携帯に録音させていた妹の声を聞いて呟く。
「御前もお父さんもお母さんも守るからな。安心してくれ」
「シン」
ここでレイが部屋にやって来た。
「どうだ、気分は」
「ああ、レイか」
シンは彼に顔を向けた。レイは落ち着いた顔をして彼を見ていた。
「今は落ち着いてるさ、済まないな」
「いや、いい」
だが彼は礼を抑えさせた。
「困った時はお互い様だからな。俺も御前には随分助けられている」
「俺は助けた記憶はないんだが」
「戦闘でな。御前がいるといないのとでは全然違う」
「そうなのか」
「だから感謝している。何時でもな」
「悪いな、そんなことを言ってもらって」
「気にすることはない。それよりだ」
「何だ?」
「その携帯は、妹さんのらしいな」
「ああ、プラントにいるな」
「そうか」
「俺達が負けたらプラントも戦争に巻き込まれるんだよな」
「その可能性は否定出来ない」
「そうだな、そうなればユニウスセブンと同じことになる」
シンにとってはそれが最大の恐怖であった。それだけは何としても防ぎたかったのだ。
「俺はお父さんもお母さんもあいつも死なせるつもりはない」
「だから戦うん
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