第十話・復帰する転生者
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
俺が病院に入院してから僅か一週間後。
脅威のスピード退院を果たした俺。
正直、あまりにも早すぎるのでは?と俺は担当医であったあの初老のお医者さんに聞いてみたが
お医者さんからみてもどうやら俺の回復速度は異常なようで
まるで奇跡だ、と言っていた。
恐らく、あの神様が何かしたのだろう。
実際、普通は早くても傷が塞がるまで半年以上かかるらしいので、
神の仕業以外考えられない。
どうせ、このまま半年以上も入院していたら俺が原作に絡むところが見れない、
そんな下らない理由だと俺は推測する。
さて、そんな事を考えていると遠くから声が聞こえてきた。
「お兄ちゃ〜ん!」
我が愛しの妹こと、なのはの声だ。
俺が左腕を失ったあの一件以来、以前よりもなのはは良く俺に話しかけてくるようになった気がする。
現に退院してからの初めての学校が終わった今、
一緒に下校する為にわざわざ学年の違う俺のクラスに来てくれたのだ。
それに
「なのは、あんまり走ると転ぶぞ?」
「えへへ、大丈夫!」
笑顔で俺の心配を否定するなのは、
前よりも笑顔を見せてくれるようになった気がする。
なのはなりに俺を気遣ってくれているのかもしれない、
ならば俺はそれに応える為にも明るく振る舞った方が良いだろう。
俺は笑顔で「そうか」とだけ呟く。
それに満足したのかなのは大きく頷くと
「じゃあお兄ちゃん、帰ろう?」
俺に下校を促した。
もちろん、すぐに俺はそれに応じようとしたが
「なのはっ!!」
突然遠くから声が聞こえてきたかと思うと
なのはを追いかけてきたのだろう、すずかちゃんとアリサちゃんが走ってやって来た。
「あ、アリサちゃん!?」
なのはがなぜか驚いているがアリサちゃんの言葉は止まらない。
「あ、じゃないわよ!全く」
「まあまあ、アリサちゃん落ち着いて…」
すずかちゃんがなだめてくれているが、どうやらアリサちゃんは納得していないらしく怒ったままだった。
そこで、話に加わってなかった、
というか一人蚊帳の外だった俺が理由を聞いてみる事にした。
「アリサちゃんは何をそんなに怒ってるのかな?」
「み、みずなさん!?」
俺の質問に対してアリサちゃんがなぜか俺を見て驚いている。
というか俺に気付いてなかったのか?
それならば少々悲しいものだ。
いくら年下の、さらに言えばなのはの友達の女の子とだが
自分が眼中にないというのは男としては意外とダメージが大きかったりする。
まあ、とりあえず俺のそんな神様の思惑並
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ