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とある完全模写の物語
上条 当麻
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を来た少女。それが神堂達の今回の目的であるインデックスだ。そしてその隣を歩く少年がステイルを倒したと言う少年。

 確かに一見して可笑しな所はない。この学園都市内ならばどこにでもいそうな少年だ。

 とは言え二人はあの少年に対する警戒心を緩める事は決してない。自分達の仲間が一人負けているのだから。この二人の力が普通の人間よりはるかに高かろうが、その慢心は敗北につながる。二人はそう言った人間を何人も見てきているからこそ、決して慢心はしない。

「火織…どう思う?」

 だが、神堂は湧き出る疑問を口に出さずにはいられなかった。

 どう見てもあの少年は素人だ。俺達に追われていると知っていながらも周りを警戒しておらず、どころかインデックスを連れて外を歩いている。普通に考えるならば、追われている人間を匿う場合外に出る、なんて事はまずしないだろう。

「何度見ても一般人にしか見えません。歩き方からその振る舞い。ステイルが負ける要素がどこにあるのか…」

 火織も火織で神堂と同じく困惑している様子。

「だよな…だが実際にステイルが負けている。油断せずに行こう」

「はい」

 火織が頷いたのを確認してから神堂は後ろで控えていたステイルに合図を送った。行動開始の合図だ。

 神堂の合図を見たステイルは直ぐ様予め設置してあった人払いのルーンを発動させる。

 すると人払いのルーンを発動したステイルの姿も消え、神堂と火織の視界に写っていた大勢の人々も瞬時に消え去る。インデックスと共に歩いていた少年を除いて。

「行くぞ」

 火織の返事を待たず、二人は歩き出す。

 少年は突然の事態に困惑し、突然消えたインデックスを探しているようだが、気付いた時には時遅し、少年の前に神堂と火織は現れた。

 当然突如として目の前に現れた二人に少年は警戒する。

「初めまして…だな少年。早速で悪いがインデックスは返してもらうぞ」

「ッ!?…お前ら…あの赤髪の仲間か!」

 赤髪とはステイルの事だろう。

 改めて目の前にいる少年がステイルを倒した少年だと認識してから、神堂はなにもない虚空に手を突き出す。

「火織は後ろに下がってろ。俺から行かせてもらう」

「…分かりました」

 少しばかり不服そうな表情をする火織だが、大人しく後ろに下がった。

 それを確認してから神堂は虚空に突き出した手をおもむろに横に振るった。

 ビュン!と言う鋭い風切り音と共に、先程までなにもなかった筈の神堂の右手にはひと振りの西洋剣が握られていた。特に目につくような装飾はされていない、至ってシンプルな剣。敢えて言うなら、本来人が西洋剣、と言われてイメージするような西洋剣とは色が違うぐらいだろう。

 西洋剣
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