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スーパーヒーロー戦記
第46話 変身、仮面ライダーBLACK
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。信彦と一緒に行くよ」
【ほな、楽しみに待っててやぁ】

 一通り会話を終え、光太郎は通話ボタンを切った。画面に通話を切った事を知らせる画面を見ながらも携帯を折り畳み内ポケットへと仕舞い込む。

「随分楽しそうだったねぇ。彼女かい?」
「いえ、年の離れた妹みたいな所です。血は繋がってないんですけど、本当の妹同然の様に接してきた良い子なんです」
「そうかい、いやぁ若いって良いねぇ。私も若い頃なんかオートバイをブイブイ言わして可愛い子ちゃん達にちやほやされてたもんだよぉ」
「は、はぁ……」

 何処か会話の軸がずれてるような感覚に光太郎は戸惑った。かく言うおやっさんはと言えば楽しそうに昔話を話している。今そんなおやっさんに無碍に話しを止めさせると言う事など出来そうにない。それをするのはちょっと可愛そうにも思える。
 しかし、だからと言ってこのままずっと昔話を聞き続けているのも時間の無駄にも思えてくる。

「ご、ご馳走様。美味しかったです」
「ん? もう行くのかい? また何時でも来な。家はオートバイ乗りなら大歓迎だからさ」

 驚いた。青年は自分がオートバイ乗りだとは名乗った覚えがない。一体何を見て分かったのだろうか。
 だが、今は詮索する気になれず、青年は扉の方に向う。
 カランと扉の鈴が鳴り、誰かが入ってきた。青いシャツに白いジャケットとズボンを身に纏った青年だ。
 年的には自分と同じ位。そんな青年が入ってきたのだ。

「……」
「退けよ、店に入れないだろ?」
「あ、すみません」

 気がつくと自分が青年の前に立っていた事に気づき、南光太郎はそっと退いた。
 そして入れ替わりで店から出て行くのに対し、入ってきた青年は席に座る。
 
「いらっしゃ……ん? お前は風見じゃないか。久しぶりだなぁ。ところで本郷達はどうした?」
「おやっさん、その事でお話が……」

 席についた風見が重く沈んだ顔のまま淡々と話しを始めた。そしてその話を、おやっさんこと立花籐兵衛は黙って聞き続けていた。



     ***




 店から出て来た光太郎は先ほど自分が入った店を見た。

「気さくなマスターに良い雰囲気の店だった。また来たいな」

 そう呟いていた時、懐に入れてあった携帯が音を鳴らす。

「ん? 今度は誰からだ?」

 再び内ポケットの中から携帯電話を取り出す。またはやてから電話だろうか?
 そう思いつつも画面を開く。しかし、その画面に書かれている名前は全く違い、予想外の人物からであった。

【秋月総一郎】

「この番号は……父さん!」

 それを見た時、南光太郎の脳裏にはあの時の光景が浮かび上がった。そう、悪夢の瞬間を…




     ***

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