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スーパーヒーロー戦記
第46話 変身、仮面ライダーBLACK
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いからさ」
「あ、すみません」

 おやっさんの了解を得て光太郎は改めて携帯を開いた。パッと画面が光り電話を掛けてきた主の名前が表示される。

「八神はやて……はやてちゃんからか」

 そう呟きながらも、通話ボタンを押し耳元に近づける。

「もしもし?」
【あ、光太郎兄ちゃん? 私や、八神はやてやで。元気にしちょる?】

 耳元に近づけた携帯から聞こえて来るのは幼い元気そうな少女の活発な声であった。その声を聞いた途端、何故か光太郎は自分自身がにやけている事に気づいた。
 八神はやてと知り合ったのはもう5〜6年近く前になる。
 南光太郎の両親は彼が生まれて間も無く謎の事故で他界してしまった。その為知り合いである秋月家に養子として招かれたのだ。其処の主は光太郎を実の息子同然に育ててくれた。そして、其処の息子である秋月信彦とはまるで兄弟同然の様に育ったのだ。
 そして、光太郎と同じようにはやてもまた秋月家の養女として引き取られたのだ。
 彼女もまた幼い頃に両親を事故で亡くし、更に原因不明の病のせいで両足が麻痺して動かないらしく、車椅子の生活を余儀なくされていたのだ。
 当初秋月家に来たばかりのはやては塞ぎこんでいたが、光太郎や信彦が明るく接してくれている内に元の明るさを取り戻し、今では年の離れた妹同然の様な間柄となったのだ。
 それから間も無くして、はやては入院を兼ねて海鳴市の元々住んでいた家に移り住み、光太郎達と離れ離れで暮らす様になり、手紙やメールでのやりとりが主となってしたっていたのだ。それが近年携帯を手にした事により電話でのやりとりが増えた事によりより一層近くに感じられるようになったのは記憶に新しい。
 そのはやてが電話を掛けてきたのだ。

「急にどうしたんだい?こんな朝早くに電話を掛けてくるなんて珍しいねぇ」
【何言うとるんや? もう朝御飯も食べ終わる頃の時間やでぇ。光太郎兄ちゃん寝ぼけてるんとちゃう?】
「あ、あはは……そ、そうだそうだ。そうだったねぇ。いやぁまだ寝ぼけてるのかなぁ僕」

 携帯で話してる相手と共に笑い出す光太郎。こうして話している時だけは自分の境遇などを綺麗さっぱり忘れられる事が出来る。出来る事なら永遠に忘れ去りたい事だ。だが、出来る筈がない。それが南光太郎と言う人間なのだから。

【それはそうと、今日光太郎兄ちゃん家に来れる? ちょっとしたサプライズを用意しとるんや】
「サプライズだってぇ! それは楽しみだなぁ。後で寄りに行くよ」
【ほな、待ってるからね。後信彦兄ちゃんも一緒に来てやぁ】
(信彦!)

 その名を聞いた時、光太郎の顔が強張った。今この場に居るのは光太郎一人しか居ない。何故なら信彦は―――

【光太郎兄ちゃん?】
「え? あ、なんでもないよ。分かった
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