第八十八話 それぞれの思惑
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ルボーニュ公は、心配そうにシャルルに声を掛けた。
「シャルル殿下、如何いたしますか?」
「いや、なんでもない。伝令ご苦労、下がっても良い」
「ははっ」
伝令の貴族は部屋を出ると、シャルルは一つため息を付いた。
「シャルル殿下。ゲルマニア皇帝が死んだと聞きましたが……」
「ああ、すまないが一人にしてくれないか。少し考え事がしたい」
「畏まりました。何か御用がございましたらウチの執事をお呼び下さい」
伝令に続き、ブルボーニュ公も部屋を出て行った。
「ふう……」
そして、シャルルは一人部屋に残されると、ため息を一つ付き両手で顔を覆って思案を始めた。
(ゲルマニア皇帝が殺害された事で、ゲルマニア国内は混乱が予想される。これはチャンスでは……?)
ハルケギニアの二大大国、ガリア王国と帝政ゲルマニアは今まで何度も戦争をし、領土を取ったり取られたりと長年からのライバル関係である。
シャルルはこの期に自らが侵攻軍の指揮を取り、西ゲルマニアの領土を切り取れば、その名声は転をも突くほどに上がり、兄であるジョゼフを差し置いて、次期ガリア王への道が開くと信じた。
(もし遠征に成功すれば、父上も私の事を見直すことだろう。そうすれば兄上に勝つことが出来る。やってみる価値は有るな)
ガリアにおいては、オルレアン公シャルルは心優しい為政者として、国民の人気は高い。
今までの名声を捨てでも諦めきれない王座への憧れが、シャルルを冒険へを駆り立てようとしていた。
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