第八十八話 それぞれの思惑
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ミは先日までフランケン大公の下に潜入していた。それを踏まえて何か策あるか?」
マクシミリアンが、西ゲルマニアの工作についてクーペに意見を求めた。
「策はございます。しかも西ゲルマニアの雄、フランケン大公を破滅させる策が」
「ほう、それは面白そうだ」
「してクーペ殿。どの様な策を用いるのですか?」
「それはですね……」
ペリゴールの問いかけに、クーペはマクシミリアンとペリゴールの顔に近づいて、ボソボソと耳打ちをした。
「フランケン大公は、戦場では無類の強さを見せますが、私生活では無能力者に近く、近臣の者に内政を牛耳られております」
「近臣の者とは例のロトシルトの事か?」
「その通りにございます陛下。あの男は金の為なら主君すら質に入れるでしょう。ロトシルトも、主君共々破滅させます。ご期待下さい」
「ほほう、流石はクーペ殿」
「分かった。西ゲルマニアの工作についてもクーペに任せるとしよう」
「御意にございます」
こうして東西ゲルマニアに仕掛ける工作活動の概要は決まった。
「本来の計画では、スラヴ人の『お祭り』に託けて、西ゲルマニアをいただく積もりだったが、現在のトリステインは人員の育成とトリスタニア増築計画等で兵に回せる労働力が無い」
「焦りは禁物です陛下。今は時間を稼ぎましょう」
「ペリゴール殿の仰るとおりです。工作活動を重点におき、ゲルマニアの弱体化を待ちましょう」
「……トリステイン王国の未来の為にも、ゲルマニアとガリアの二つの大国に挟まれたこの状況は悪夢以外の何者でもない。まずゲルマニアには幾つかの小国家に分かれてもらおう」
「そして、ガリアへの工作ですね?」
「その通りだクーペ。ガリアも二等分無いし三等分させて、トリステインへの脅威度を下げよう」
「なんとも面白い時代に生まれたものです。このペリゴール。全身全霊をかけて陛下に忠誠を誓いましょう」
「頼りにしているぞペリゴール」
こうして3人の悪巧みは、夜が明けるまで続けられ、対ゲルマニア工作の第一段階として、東ゲルマニア各地のスラヴ人を蜂起させ資金援助を続ける事、第二段階として、オーストリ大公とブランデルブルク辺境伯を争わせゲルマニア側に混乱を誘発させる事、そしてフランケン大公への工作と、以上の三つが執行される事が決まった。
☆ ☆ ☆
ゲルマニア皇帝殺害から二週間後。
ガリア王国の王都リュティスのとある貴族の屋敷では、盛大なパーティーが催されていて、オルレアン公シャルルも、ゲストとしてパーティーに招待されていた。
主
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ