第十三話
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度を向上させ、小型種の攻撃からの被弾に対する耐久性のみならず、戦闘機動時の小型種との接触──実際に小型種は体当たりを使うこともある──にも、接触時に力を逃せない当たり方をしない限りは航宙母艦までの帰還が出来る程度の耐久性が求められた。
一方、耐久性の向上により総質量が大きく増加した機体だが、その機動性の確保は難しくなかった。
本来、パイロットの操縦技量と機体強度の両者の限界に合わせてエンジン出力は抑えられていたので、エースパイロット専用であり機体の強度が飛躍的に高まり、しかもコスト度外視の新型機に合わせて出力を高めるのに障壁となる問題は存在しなかった。
攻撃力の向上では、レーザー砲などの武装の威力自体の向上は、新型機も対小型種が主目的であるため意味が無く手数の多さが必要とされた。
ただ搭載武器を増やすだけでなく、荷電粒子砲やミサイルの発射間隔の短縮が求められ、またソフトウェア面で火器管制能力の向上が求められた。
それらの仕様を満たして、実戦での評価実験にまでこぎつけた試作一号機がXSF/A-R1だった。
「でかい癖に、でかい以外は良い機体だ」
従来の戦闘機の枠をはるかに超えた重たそうな見た目に関わらず、彼が初めて実戦で搭乗したSF/A-302。その改良型である現在の使っているSF/A-311と比べても大きく機動性を増し良い動きを見せるXSF/A-R1に思わず唸る。
「だが、こいつ1機でSF/A-311の50倍以上の製造コストか……」
エルシャンは自分がこの機体に乗れば、戦場で今までの数倍の戦果を上げる自信はある。
だが、エルシャンも決して機体を失わないわけではない。単純に普通の戦闘で落とされるのは少ないがゼロではなく、他にも戦闘中に一定宙域の死守を命ぜられる場合も少なくは無く、その場合撃墜されるまで留まり戦い続けなければならない。そう考えると50倍のコストと戦果がつり合わないのではと疑問を感じた。
だが実際は、元々のエルシャンたちエースパイロット達の戦果が大きい。一回の出撃で撃墜数が三桁に乗ることも少なくない彼等が数倍の戦果を上げるという事は、貴重なエースパイロットの数が数倍に増えるに等しい効果を得る事が出来るので、十分な費用効果を得る事が出来るのであった。
慣らし運転が終わりシルバ6に帰還したエルシャンは、明日以降は通信機能を強化した新型の航宙母艦に実験機を載せて前線へと送り出して、実戦試験に入る予定だったが、着艦後に同調が終了し休憩を採ろうとしたところいきなり、警告音と共にシルバ6のマザーブレインより通信が入る。
「何だと? もう一度説明しろ!」
耳を疑う報告にエルシャンは何時になく声を荒げると再度の報告を命じる。
『先程、【敵性体】と交戦中だった第51・83・237機動艦隊が、全パイロットの同
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