第22話 沈む心、甦る決意(3)
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ノエルとファリンが、忙しなく部屋中を動いているのを見た。
喧嘩後の部屋の後始末に四苦八苦しながらも、純吾向けてに微笑み手を振ってくれてた。
部屋の真ん中近く、いつの間にか喧嘩を止めていたリリーとシャムスがいた。
お互いの頬を引っ張りあいながらも、純吾に向かって笑みを向けてくれている。
左を向く。
いつの間にかこちらを向いていたアリサと、椅子の上にたたずむユーノがいる。ユーノは純吾の視線に気づくと嬉しそうに頷き、アリサは慌ててまた顔を逸らしたけど、横顔が微かに上下するのが見えた。
後ろを見た。
すずかの、真っ赤になった顔が見えた。忍に言われた事をまだ気にしていたのか、純吾の顔を見ると恥ずかしそうに、おずおずとしながらも頷いてくれた。
そして、正面に顔を戻す。
まっすぐに純吾を見つめる、なのはがいた。純吾が周囲を見回し、彼女にポカンとした様子で視線を送るのを見て、くすっと笑った。
「ねっ。みんなも同じ気持ちなの。だからこれから、みんなで一緒に頑張ろう?」
春の木漏れ日の様な笑みを向けるなのはを見て、彼女の言葉を聞いて………純吾の顔は自然と俯いていた。
「……ほんとに、いいの?」
やがて顔をあげて純吾はそう言う。
「ほんとうは知ってほしくなかった。話す事が、怖かった。前の事はこことは違う。壊れた街、人を襲う悪魔それに、人同士が争っているところを、ジュンゴはたくさん、見た。それを知ったらみんな、嫌な気持になるって、ジュンゴ思った」
自分が言っている事を確認するかのように、純吾はゆっくりと言葉を口にする。
ここはなんて温かい世界だと思ったていた。自然と活気があふれる街、そこに住む気持ちのよい人たちそして、そんな所に迷い込んだ自分を受け入れてくれる一等温かい人たち。そんな人たちに、人の醜い所は知ってほしくなかった。平穏の中に暮らす人たちは、それをより続けられるように、穏やかな気持ち、優しい考えを持った人たちになってほしかった。
そして醜い部分を知った自分は、戦う力がある自分は彼らの代わりになろうと、そうする事でこの平和な世界を守ろうと考えていた。
そこまで考え、純吾は唐突にかぶりを振った。
そうして、さっき以上に小さな声で、恐々とした様子で話し始める。今自分が考えた事は、自分にも皆にもウソをついていると思った。
今目の前にいる彼らは無条件の信頼を寄せてくれた。だから今まで偽ってきた考えを振り払い、抑えていた気持ちを表に出そうと決意した。
「………ぅうん。怖かったのは、みんなが、変わったらどうしようって。
ジュンゴ達が、どう過ごしてきたか知って。ジュンゴや、リリー達仲魔を信じてもらえなかったらどうしようって、思った」
そうだ。怖
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