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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第34話 山の老人伝説
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が休憩を求める意味に付いても、ちゃんと理解していると言う事ですから。

「そうしたら、個室の休憩室が有るらしいから、そちらの方で一時休憩をしますか」


☆★☆★☆


 そうして、この手の高級カジノには付き物の豪華な個室タイプの休憩室に場所を移した俺とタバサ。
 天蓋付きの豪奢なベッドや、テーブル。まして、呼び鈴付きと言う、休憩用と言うよりは、宿泊用の部屋と言う雰囲気の部屋ですね、ここは。
 それに、備え付けの飲み物やグラスなどが用意されていますし。

 そうしたら、先ずは聞き耳や覗きの調査からですか。

 そう思い霊力に因る探知を実地。
 刹那。波紋を広げるように広がって行く俺の霊力。
 但し、この魔法は仙術に属する魔法。つまり、この世界的な認知で言うと、精霊魔法と言う括りに当て嵌まる魔法ですので、ディテクトマジックの探査に引っ掛かる事がないのは確認済みです。

 有効範囲は十丈。大体、三十メートル。当然、その範囲内に結界が存在していたのなら、その有無も報せてくれる仙術と言う事に成ります。

 ……大丈夫。少なくとも、魔力の籠められた盗聴用のマジックアイテムや、魔法自体がこの部屋に行使されている雰囲気は有りません。
 但し、機械的な盗聴や覗き。隣の部屋に聞き耳を立てている人間が居る可能性は、当然有るのですが。

 そうすると次は……。

【アガレス。時空結界で俺とタバサを通常の時間の流れから切り離してくれ】

 翆玉に封じられし魔界の公爵に【念話】にて依頼。
 そして次の瞬間、覗き盗聴対策としては最も信頼出来る時空結界で、俺とタバサを通常の時間世界から切り離す違和感を覚える。
 そう。まるで、世界自体が反転するかのような奇妙な感覚の後、俺とタバサ以外、全ての生きとし生けるモノの気配が途絶える。

 廊下を歩むカジノの従業員や、遠くに感じて居たカジノでギャンブルに興じる客たちの悲喜こもごもの気配。そして、舞台の上で演じられていた音楽やパフォーマンスなどが発して居た躍動や心に訴え掛ける響きなどの気配すべてが失われて仕舞ったのだ。

 完全に俺とタバサが時空結界で覆われた事を雰囲気で感じ取った俺が、タバサに首肯いて見せた。そう、これで、どんな盗聴で有ろうとも大丈夫と言う事ですから。
 この切り離された空間内に、その盗聴を行っている存在が既に潜んでいない限りは。

「そうしたら、タバサ。このカジノのイカサマを見破る事が出来たか?」

 先ずは、この部分の問いから始めるべきでしょう。
 それに、実を言うと、俺には、店側のイカサマ行為を見破る事は出来ませんでしたから。

 一応、アガレスの能力で強化されて居ますし、俺はハゲンチの職能、あらゆる手技を身に付けさせてくれると言う職能により、
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