暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第34話 山の老人伝説
[5/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
法です。

 但し、この方法でも、確実に儲けるにはかなりの予算が無ければ、確実に勝てるとは言えません。まして、タバサの目的から考えると、この方法ではカジノが潰れるほどの勝利を収める事が出来るとも思えません。

 その問いに対して、タバサはじっと俺の横顔を見つめる。普段とは反対側の。
 そして、

【貴方の式神の能力を使えば簡単に勝てる】

 ……と、そう答えた。
 普段通りの、彼女に相応しい落ち着いた雰囲気で。

 しかし、そのタバサの答えにより、潜入捜査官は潜入捜査官なのですが、これは、非合法潜入捜査官と言う種類の仕事に分類される可能性も出て来たような気がして来たのですが。

 それでも、このタバサの言葉から判るのは、俺の能力や、俺の式神達の能力をタバサは熟知していると言う事ですか。
 確かに、俺の式神の能力を駆使したらゲームによっては確実に勝利出来るギャンブルは存在します。
 そして、タバサの思考の中では、最初からイカサマを使用してのカジノ潰しだったと言う事ですね。

 冷静な判断だと思います。少なくとも、運否天賦(うんぷてんぷ)と言う形でこの任務を受けた訳では無い、と言う事ですから。

 そう俺に告げた後、タバサは一当たり、カジノの店内を見渡した。
 カード。サイコロ。ルーレット。この中で、俺や式神達の能力を駆使したら、100%勝利出来るゲームと言えば……。

 タバサは俺の方を見ずに、ひとつのテーブルを目指して歩み始めた。

 そして、今回の任務の軍資金として渡された金貨百枚を、同額のチップと交換する。
 チップの内訳は、白が二〇枚、赤が六枚、そして緑が二枚。白は金貨一枚分。赤が五枚分。そして、緑は二十五枚分に相当します。

 ディーラーがベルを一回鳴らした。これが、ゲームのスタートと言う事。
 そして、そのチップの内、緑を二枚、ルージュの方に賭ける(ベットする)タバサ。

 ……強気と言うべきなのでしょうか。それとも無謀と言うべきですか。いきなり、手持ちのチップの半分までを賭けましたよ、この()は。

 ディーラーが慣れた手つきでホイールを回し始め、そして、そのホイールの回転方向とは逆方向にボールを投げ入れた。

 そう。タバサが選んだのはルーレット。そして、俺が考える一番簡単に勝利を重ねられる勝負も、このルーレットです。

 同時に、俺がアガレスを起動。
 そう。アガレスの職能。走り出した物を静止させ、逃亡した物を引き戻す能力。彼女の職能を使用すれば、ルーレットの操作など容易いでしょう。
 まして、俺自身が重力を操ります。このふたつの技能を駆使すれば、ルーレットならば100%勝利出来るはずですから。

 ベルが二度鳴らされて、ベット出来る時間が終了する。そ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ