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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第34話 山の老人伝説
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ている違法カジノも少ないでしょう。
 その俺の呟きに等しい【念話】に対して、ひとつ首肯いて肯定を示すタバサ。

 しかし……。俺は、自らの左側に立つ蒼き姫を、普段以上に意識をしながら、少し、意識を彼女から別の方向に飛ばす。
 そう。タバサに指令を出している人間……イザベラとか言うガリアの姫は、少し方針を変えたのか、と言う疑問に対して。
 今回のタバサに下された指令は、俺が思うに、かなり危険な任務の可能性が有ると思うのですが。

 其処まで考えてから、再び、自らの主人に対して意識を戻す俺。いや、正確に言うと、彼女と現在二人で一人状態の人間も頭数に入れた、彼女らと言う単位に思考を移したと言うべきですか。

 そう。タバサの扱いが変わった訳では無く、彼女の使い魔の俺の事を知られたから、彼女に難しい任務が回って来るように成った可能性が有りますか。
 ジョルジュがガリア王家から命令を受けてタバサのガード役を行っていたのなら、彼奴から俺の能力に関しては報告が行っているはずです。
 まして、魔法学院の春の使い魔召喚の儀は、貴族(メイジ)として重要な通過儀礼ですから、タバサが何らかの使い魔を召喚した事は確実に知っているはずです。

 タバサが召喚した使い魔の実力を知ったのならば、その実力を組み込んだ上で命令が下されたとしても不思議でもなんでもないですか。

 ならば、少々、厄介な任務が回って来たとしても、それも仕方がない事ですか。確かに、適当にこき使われているような気がしないでもないのですが、それも含めてタバサに与えられた仕事ならば仕方がないでしょう。
 彼女の仕事は、俺の仕事でも有りますから。

 それに、この状況に関しては、後二年ぐらいの我慢で終わりのはずですから。

【そうしたら、このカジノ潰しの作戦はどうなっているんや?】

 少し気分を変えてそうタバサに聞く俺。尚、舞台の上では、今度は女性の吟遊詩人が恋の歌を歌い始めていました。
 曲調はバラード。そして、曲のテンポに合わせて、光の明滅も緩やかなモノに変わっています。

 ……そう言えば、光と音楽を使用する洗脳方法も存在していましたね。
 もっとも、この空間内に充満する甘ったるい匂いの正体との合わせ技で、カジノの客の精神を蝕む役割を果たすと思うので、この光と音楽だけならば、今夜一晩ぐらいなら大丈夫だとは思うのですが……。

【カジノ側の想定額以上の勝ちを得てカジノを潰す】

 非常に簡潔で明確な答えを返して来るタバサ。確かに、判り易い方法では有ります。
 但し、同時に非常に嫌な予感がして来たのも事実、なのですが。

 確かに、こちらがカジノ側の想定以上の勝ちを収めた場合、相手は、切り札に等しいディーラーで勝負を挑んで来るはずです。
 そして、そい
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