第4章 聖痕
第34話 山の老人伝説
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呼ばれる魔法は存在していましたが、呪いに分類される魔法は聞いた事が有りませんでした。
「ダンダリオン。そいつらは、山の老人伝説に登場する暗殺者集団の事か?」
イカサマ用のカードの山を作る手を止めて、かなり緊張した雰囲気でそう問い掛ける俺。
……それに、暗殺者と言えば、タバサを攫おうとした白い仮面の暗殺者たちが存在していたのですが。
更に、あの連中の任務失敗した後の最期は、明らかに殉教者としての最期だったと思うのですが……。
【肯定。シノブも偶には鋭い事が有るのですね。正直、少し見直したのです】
ダンダリオンからの【返事】。
会話の八割は無視するとして、その肯定された部分の意味は大きい。
山の老人伝説。確か、マルコ・ポーロが伝えていたと思うけど……。それに、この現在俺が暮らしている世界は、十字軍の時代の可能性も有ると思っています。
つまり、山の老人が存在していた時代と、俺が召喚された時代とは、時間的には合致すると言う事になります。
まして、そこに人身御供を要求するモロク系の邪神が関わって来ると成ると、タバサを攫おうとした暗殺者達の末路と重なる。
この連中は、自己犠牲を厭わぬ存在ですから……。
ダンダリオンからの説明は理解出来ました。当然それは、現在の俺とタバサが置かれている状態の危険性についても理解出来たと言う事でも有ります。
俺は、タバサを見つめる。
そして、普段通り透明な表情を浮かべ、俺の顔を見つめ返す蒼き姫。
この少女を危険に晒す訳には行かないな。彼女は俺の事を、唇歯輔車の関係だと表現してくれた相手ですから。
改めてそう確信する俺。
但し、そんな俺の勝手な感情など彼女は拒否をするでしょうし、相手の……殺人祭鬼達の目的が何で有るのかを知る為には、敢えて虎穴に入る必要も有ります。
そして、今回の事件は、その目的を知る好機でも有ると思いますし……。
「どうする。このカジノは危険な場所の可能性が存在する事が判った」
矢張り最初は、タバサの意志の確認から入るべきですか。そう思い、タバサに問い掛けてみる俺。
もっとも、この想定は最悪の可能性。もしかすると、そんな危険な連中の末端などではなく、普通の違法カジノが、客から簡単に金を巻き上げる為に、危険な麻薬などの薬物を使用している可能性も存在しています。
但し、想定は、何時でも悪い結果の方を想定して置くべきだと俺は思っているのですが。
そうで無ければ、もし結果として最悪の状態だった場合には、それまで組み上げて来ていた作戦を根本から見直す必要が出て来る上に、精神を立て直す時間が必要と成り、次善の策を打つまでに致命的な隙を作り上げる可能性も有りますから。
まして、
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