第一章 無印編
第四話 『シホの転校初日』
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「うーん…でもやっぱり私としてはあまり目立ちたくなかったのよね…」
「諦めなさい。人当たりのいいシホが嫌われることなんてないと思うし…。
それより、今日の授業で将来の夢って言うものがあったじゃない? シホって将来はなにになろうと思っているのよ?」
「将来の夢、ね…。今は特に決まっていないわ。それに私の過去は色々とごたごただからまだゆっくりと考えていこうと思っている。
でも…しいていうなら、また人助けの仕事につきたいかな?
ほら、私って物心ついた時から今は亡くなった育ての父親の手伝いをしていたって話をしたでしょ?
でも昔の私は向こう見ずで前に進むことだけしか考えてなくて、それに他人のことばかりを優先して自身の事はほとんど蔑ろにしていた。
それでよく周りの皆に迷惑をかけてばっかだった。
そしてそれを本当の意味で気づかされた時には後悔ばかり…。
それでここ海鳴に来る前に、今はもう会えるか分からない私の保護者みたいな人達に『人助けもいいけどまずは自分の幸せも考えなさい』と言われたのよ。
だから今は自身にとっての幸せとはなにか?
…っていうのを明確にしたいってところね。
………ごめんね、なんか辛気臭い話になっちゃって…」
シホは先ほどまでの雰囲気を笑顔で振り払ってみたけど、どうやら三人にはとても重要な話に聞こえたらしく、なのはとすずかには優しく抱きつかれ、アリサも目に涙を溜めながら、
「そっか。それじゃせっかく友達になったんだしあたし達もシホの“幸せ”って奴を探してあげようじゃないの」
といって手を差し出してきたので、シホも嬉しくなって、「ありがとう、アリサ」といって握手をした。
なのはとすずかも便乗して握手をしてくれたのでシホは、それはとても極上の笑顔をした為に、なのは達以外にも屋上で食事を取っていた生徒達がちらちらとこちらを伺っていたのは、まぁ些細なことである。
…ちなみにこの聖祥にはなのは達のファンクラブが密かに存在しているらしいが、シホのファンクラブもたった一日で立ち上がったことをシホはもちろん、なのは達も知らなかった。
そしてシホはもうほぼ完全に女性として振舞いだしていた。
その後、今度はアリサはなのはの将来のことを聞いたが「自分には特に取り得もない」という発言に小さい喧嘩(一方的?)が起きたが些細なことなので割愛する。
午後の授業もとどこおりなく消化してその帰り道、アリサの提案で一同は裏道を通って帰ろうと言うことになった。
しかし…シホはこの裏道にはなにかあると直感した。
(この感じは…魔力の気配? でも、どこか弱々しい…)
シホはこの体になったことで魔力探知も敏感になっていたのですぐに気づいた。
でも手がかりがつかめない以上、下手に行動してもいい事はない
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