第一章 無印編
第四話 『シホの転校初日』
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をまとめながらもう片方で打ち込む。
その攻防はとてもすごいものだった。
…私にはたったそれだけだったのにまるでほんの一瞬の出来事のように思えた。
それから少ししてシホちゃんの態勢が崩れてきたように見えて、お兄ちゃんはそこに付け入り打ち込んできて…。
それでお仕舞いかなと思った矢先、シホちゃんはなんなくそれを受け止めて反撃をした。
「やはり、いつもながらシホちゃんは隙の作り方がうまいな。俺の攻撃の先の先をも計算して自然に誘導して限定して打ち込ませられる手際は頭では分かっていても止める事が出来ない」
「ですが攻撃を一度も当てさせてくれない恭也さんの技量も凄いものだと思います。ずいぶん昔から鍛錬を続けてきた証ですね。ハッ!」
「それはシホちゃんにも言える事だよ! ヤッ!」
お兄ちゃんとシホちゃんはまるでダンスでも踊っているかのようにお互いの竹刀をぶつけあっている。
しかしそこでお姉ちゃんの「はい、そこまで!」というタイムアップの言葉で二人は竹刀を納めてお互いに挨拶をして今日の稽古は終了した。
そこでようやくみんなは私に気づいたらしく、
「なのは、おはよう」
「ああ。なのは、おはよー」
「おはよう、なのは。今日は早かったのね」
三者三様で朝の挨拶をしてきてくれたので私も「おはよー」と言ってタオルを用意しておいたので三人に渡した。
先をお兄ちゃんとお姉ちゃんが歩いていく中、私はシホちゃんと一緒に話をしていた。
「シホちゃん、すごいね。お兄ちゃんってかなり強いのに互角に打ち合えているなんて」
「そんな事はないわ。恭也さんはあれでも手加減していてくれるのよ? 本気を出されたら私も手を出し尽くさなきゃ勝てないと思うし…」
最近シホちゃんはお兄ちゃんの事を「あの人はきっと人以上の存在ね…」と呟いている節があるけど、本当にそうかもしれないと私も思いはじめてきた。
それはともかく、シホちゃんもお姉ちゃんと一緒にお風呂に入るそうだからきっとお母さんとお父さんはリビングで待っているので制服に着替えてからその旨をお母さん達に伝えた。
(※ もうシホは美由希と一緒にお風呂に入ることは日課になってしまっているので動じていない。
女性としての意識・喋り・仕草などは既にイリヤに近いものがある。
シホ自身も“男性体である衛宮士郎”としての自分は既に過ぎ去りし前世のようなものとして、
今はもう“女性体であるシホ・E・シュバインオーグ”が現在の自分を形成する一つの要因として割り切っている。
自身はもう男性ではなく女性であるという自己暗示も完璧に施した。
だがまだ根本的に衛宮士郎としての男性のプライドは残っているらしく、入浴時に美由希の体はあまり見ないようにしている。
たまに桃子も乱入し
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