第4章 聖痕
第33話 赤い風車
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躍に関して、薄々は気付いている可能性も有ります。……ですので大規模な民営カジノの場合、早々に目を付けられて潰され、乗っ取られる可能性を考慮しているはずなのですが。
まして今夜、俺とタバサが赴くカジノについては、青天井……つまり、異常に高いレートをうたい文句にした違法カジノですから、ガリア諜報部の動向や、それに、同業者の動きにはある程度の警戒を行っていると思います。
果てさて。今回のタバサの任務に関しても、一筋縄では行きそうもない雰囲気なのですが……。
そうして。カモフラージュされた入り口の内側に居た黒服に、流石に丁寧な……と言うか慇懃無礼な態度で手にしていた見せかけの杖を取り上げられたのですが、姑息な俺の考えからすると、この制度に関しても少し疑問が残りますね。
そんな事を行って、本当に効果が有るのか、と言う事についてが。
少し長い目の折れ曲がった地下に向かう階段を下りた後、今度は水平になった通路を進む事しばし。まるで、何者かの体内……もしくは黄泉の国への通路を辿るかのような昏い通路を案内もなく進むタバサと俺。
【なぁ、タバサ】
妙に通路内に響く自らと、そしてタバサの足音。
その単調な。そして、陰鬱とさせる雰囲気に少し耐え切れなくなった訳では有りません。しかし、差し当たって、大して難しい疑問でもないですから即座に返事が得られるだろうと思い、タバサに【念話】の回線を開く俺。
タバサからは、流石に言葉での返事は返されなかったけど、言葉になってはいない気のような物が返される。これは、了承したと言う事なのでしょう。
そう。其処は、廊下のあちこちに灯と成っている魔法のランプが灯されているのですが、その明かり自体が必要最小限の光しか提供している事がなく、何故か焦燥と不安感を煽るような造りの、嫌な雰囲気の通路で有る事は間違い有りませんでした。
【この世界の魔法は杖がない状態で発動しないのは知っている。せやけど、予備の杖のようなモンを用意している人間はいないのか?】
普段通り、タバサの一歩前を進みながら、彼女にそう【念話】で質問する俺。
いや。別にどうしても今、聞かなければならない質問では有りません。しかし、何か言葉にしていなければ、不安と焦燥で走り出して仕舞いそうになる、そんな雰囲気の通路だったと言う事なのです。
おっと、イカン。気分転換の心算の質問だったのに、思考が陰の方向に進み過ぎている。
陰気は更に陰気を呼ぶ。ここは気分を転換するべきですか。
それで、そもそも杖以外でも、指輪や首飾りなどの宝石や、魔導書などが触媒を為す可能性は有りますし、俺の知識の中ではそう言うタイプの魔法使いも居ました。但し、ハルケギニア世界の魔法使いで、そんな変り種の魔法使
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