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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第33話 赤い風車
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り、ただ、首肯くのみで答えるタバサ。

 それで、あの目覚めた後に、遅い朝食をタバサとふたりで取り、そのままガリアの王都リュティスに転移。その後、普段通りにタバサが単独で受けた指令が、先ほど俺が口にしたカジノ潰しなのですが……。
 ガリアの騎士の御仕事って、カジノを潰すような御仕事も存在するのですか。あまりにも仕事が多岐に渡っていて、必要とされる能力が魔法を含む戦闘能力だけとは言いかねると思うのですが。

 例えば、前回のフェニックスの再生の儀式に関わる御仕事は、どう考えても、物資調達の技能と祭壇を組み上げる技術。それに、地点防衛能力が要求されましたし、今回のカジノ潰しは情報収集能力などが重要となると思うのですが。

【それで、そのカジノを(ちから)……。つまり、出来るだけ公的権力を使用せずに潰して、その後に半公営のカジノを作ると言う事ですか】

 俺の引き続きの【質問】に、再び首肯く事によって答えるタバサ。

 おっと、これでは少し判り辛いので説明します。
 先ず、このガリアと言う国では、基本的にカジノは合法です。但し、あまりにも高いレートで行うカジノは論外ですが。
 そして、表向きは、民営のカジノも存在している事に成ってはいます。

 但し、裏では、大部分の民営カジノはガリアの諜報組織の出先機関として統一されて居り、ガリアのカジノなどを統括する暗黒街のフィクサーは、ガリアの諜報組織のトップと言う事に成っているようです。
 尚、娼館や妓館なども、裏側ではかなりの部分がガリアの諜報組織の出先機関として統一されているそうです。

 ……って言うか、中世ヨーロッパの国にしては、このガリアの諜報組織はかなりヤバい雰囲気ですよ。これは、ガリアの王弟絡みのクーデター計画が簡単に漏洩したのも首肯けます。
 この状態だと外では迂闊な相談は出来ませんし、かといって、不平貴族同士が集まって、誰かの屋敷で密談などを行ったら、返って目立つ事になって仕舞いますから。

 ネズミなどの使い魔を使用した諜報は、この世界ならば簡単に行えますからね。

 表の顔、昼の顔……貴族などを支配するのが国王で、夜の顔……暗黒街を支配するのが諜報組織のトップ。そして、それを支配するのもガリア王だとすると、この国の支配は盤石と言う他ないでしょう。

 まして、フェニックス再生の儀式の例から考えると、祭祀も王家が支配していますから。

 それで、カジノが合法なのは、おそらく娯楽の少ない国民に対しての数少ない娯楽を取り上げる訳には行かなかったのと、カジノや娼館、妓館などはいくら公的に取り締まったとしても闇に潜って営業を続ける為に、取り締まるよりは、自分達の目の届く範囲内で活動させようとしたのと、ふたつの理由からでしょう。

 これは、国民に与え
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