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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第33話 赤い風車
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して、

「貴方が倒れたのは、わたしの分までモンモランシーの用意した飲み物を飲んだ性。
 それに……」

 ゆっくりと、普段通りの抑揚の少ない話し方でそう続けるタバサ。
 但し、この台詞の後、彼女から発せられる雰囲気が少し変わる。

 そう。それまでは、普段通りの安定した感覚の中に、多少の安堵の色と言う雰囲気が含まれていたのですが、ここから、少しの緊張を感じさせる雰囲気へと変わった。
 そして、

「昨夜、リュティスから次の命令が届いた」

 ……と続けたのでした。


☆★☆★☆


 そして現在。
 何故か、少し不機嫌に成って仕舞ったような気もしますが、細かい事を気にしても始まりませんか。

 リュティス郊外の小高い丘に存在する中世ゴシック建築の教会……なんでも女子修道院らしいのですが、その建物を見上げながら、ブドウ畑と、そして割と新しい飲み屋が立ち並ぶ、御世辞にも綺麗なとか、安全なとか言う風に表現出来るような雰囲気ではない通りを、俺とタバサは馬車に乗って今回の任務の地点に向かう途中です。
 確か、この丘の向こう側にはシテ河が流れているのじゃ無かったかな。

 ……修道院が有るのに、何故に危険な場所になるのかって?
 この時代。中世の女子修道院が、清らかな尼僧の暮らす信仰に溢れた場所と思ったら大間違いですよ。

 この時代の女子修道院とは、……人類最古の職業と呼ばれる女性たちが居たトコロですから。もっとも、基本的には働けなくなった女性たちが最後に身を寄せる場所、と言う意味合いが濃かったとは思うのですが。
 まして、この付近の飲み屋にワインを売りつけているのは、他ならぬ、その女子修道院なのですからね。

 もっとも、この国で一番信仰されている宗教組織とは言っても、先立つモノが無ければ食って行けないと言う、世の無常を感じさせる事実では有るのですけどね。
 更に、このガリアは宗教組織で有ろうとも、税が掛けられるらしいです。

 確かに、十分の一税に相当する教会の取り分はここガリアにも存在するらしく、教会にはガリア王国から毎年一定額の資金が支給されるようなのですが、それだけでやって行ける訳はなく、教会独自の荘園の開発などは行われているようなのですが、その部分には、ガリアは税を掛けているようです。
 これは、多分、ガリカニスムから発した物だとは思いますが……。

 流石にこの世界で最大の王国は、唯一絶対神のブリミル教のトップに因る介入を排除出来るだけの権力を行使出来ると言う事なのかも知れません。

【それで、今回はカジノ潰しの任務と言う訳ですか】

 馬車の窓から、未だ宵の内だと言うのに飲み屋で既に出来上がっている雰囲気の親父たちを眺めながら、そう【念話】で問い掛ける俺。
 普段通
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