第4章 聖痕
第33話 赤い風車
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。あのモンモランシー作製の液体は、俺以外は誰も口を付けた人間は居ないな。記憶の一部を吹き飛ばすほどの破壊力は並みやないで」
普段通りの彼女の対応に安心しつつ、次に気になっている質問の方に移る俺。色気も何もない質問なのですが、それでも、これが気になっていたのは事実ですから。
そう。確かに、あの時のモンモランシーは、頭がすっきりすると言いました。そして、現在の俺の状態から考えると、それは間違いでは有りませんでした。更に薬の作用かどうかは定かでは有りませんが、良く寝た御蔭で身体の方もついでにリフレッシュも出来たみたいです。
しかし、それでも尚、記憶の一部が吹き飛ばされるような副作用をもたらせる劇薬は、流石に問題が有り過ぎます。
せめて、人体実験は自分か、俺達以外の人間でやって下さい。
俺の問いにコクリとひとつ、強く首肯くタバサ。
そうして、
「心配はない」
……と普段通りの短く、要点のみの答えを返して来た。
成るほど。取り敢えず、俺と言う犠牲は無駄では無かったと言う事ですか。
「それは良かった」
一応、そう口に出して言って置きますか。それに、少なくとも、タバサが妙な液体を呑む事によって倒れるよりは百万倍マシな結末でしょう。
それに、本当に危険……飲むと体調が不調に移行する液体だと判断していた訳では有りませんでしたからね。
あの時のモンモランシーが発している雰囲気は陽の気で有り、あの場に居た全員を酷い目に合わしてやろうと言う企みを持った雰囲気では有りませんでした。
その状態から判断して、少なくとも、モンモランシーの言葉に嘘はない、と判断した結果の挑戦だった訳ですから。
何故ならば、彼女は水の系統魔法の使い手。彼女の善意によって作られた薬ならば、見た目やその他がどうで有ろうとも、彼女の言うような効果は有ると思いましたから。
もっとも、想定以上の破壊力が有った為に、半日ほど眠りに就く結果と成って仕舞いましたが。
「なぁ、タバサ。俺の看病の為に授業を休ませて仕舞って、すまなんだな」
さて。状況確認が終わったのなら、次はこの部分について、ですか。
それに、これは当然の台詞です。感謝の言葉や謝罪の言葉は、どんなに近い相手にでも。いや、近い相手だからこそ、確実に言葉にして伝えて置くべきだと俺は考えて居ます。
それに、かなり嬉しかったですしね。目覚めた時に、独りぼっちで目覚めたのではなく、傍に誰かが居てくれただけで。
まして、今日は平日。それに今は午前中。つまり、時間的に言うと、間違いなく現在は学院の授業中のはずです。
おそらくは、俺が目を覚ますまで傍に居てくれたと言う事なのでしょう。
俺の言葉に首を横に振って答えてくれるタバサ。
そう
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