第九十八話
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第九十八話 ミイラ男
遂に出て来た最後の敵。それは。
「まさかとは思っていたけれどね」
「これとはね」
ライゾウとタロがまたしてもそれぞれ声をあげる。そこにいたのは。
「ミイラ男だってさ」
「何かハリウッドぽいような」
「ええ、そうね」
さっきよりはかなり硬さが取れた顔で華奈子は自分の使い魔達に応えるのだった。
「ドラキュラ、フランケン、狼男、ゴーレムで」
「ケルベロスも出たことあったと思うわ」
美奈子が華奈子に言ってきた。
「確かね」
「そうなの。じゃあこれで全部揃ったのね」
目の前のミイラ男を見てまた言う。
「こいつはあたしがやるとして」
「どうするつもりなの?」
「任せて」
一言だった。
「やり方があるから」
「そう。じゃあ任せていいのね」
「ええ。じゃあ美奈子」
あらためて美奈子に声をかけてきた。
「何かしら」
「上から頼むわ」
「上からね」
「ええ。これまで上から皆での陽動はなかったじゃない」
そのことを指摘するのだった。それをあえて指摘できるというところに華奈子の非凡さがあった。やはり彼女も頭がいいと言えた。少なくとも悪くはない。
「だからよ。今回はそれでね」
「あら、それでは」
小百合先生がそれを聞いてまた呑気な感じの声で話してきた。
「箒に乗ってですね」
「はい」
美奈子がその先生に対して答えた。
「それでもいいですよね」
「箒は魔女の魔法の一つですよ」
先生の返事はこれであった。
「言うまでもありませんね」
「わかりました。じゃあ華奈子」
「ええ」
また美奈子の言葉に応える。
「任せるわよ」
「こっちもね」
言葉が重なった。心も。
「頼んだわ」
「引き受けるわ」
姉妹を中心として動く。まず五人が飛んだ。
「じゃああたし達もね」
「わかってるよ」
「それじゃあ」
華奈子とその使い魔達も動いた。いよいよラストバトルだった。この迷宮での。
第九十八話 完
2008・4・11
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