第九十七話
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第九十七話 ラストバトルへ
いよいよ最後になった。六人、とりわけ華奈子の気合はかなりのものだった。
「ねえ御主人」
「何？」
ライゾウに対して応えた。
「緊張してる？今」
「していないって言ったら嘘になるわね」
はっきりとこう述べるのだった。
「あたしにしては珍しくね」
「それも無理ないね」
タロはそんな華奈子の言葉を聞いて言う。
「正直言って」
「自分では戸惑っているけれどね」
「緊張してることが？」
「ええ。だって」
使い魔達に対して述べる。
「今まで。そういうことなかったから」
「まあ度胸が御主人の一番凄いところだったしね」
「確かに」
ライゾウとタロはそれぞれ言う。
「それが緊張するっていうんだからこれはかなりだね」
「僕なんか御主人様が緊張するなんてはじめて見たよ」
「また随分と言ってくれるわね」
そんな二匹に普段の顔に戻って言い返す。
「全く。あたしだって緊張するわよ」
「緊張するのはいいことよ」
「美奈子」
今華奈子に声をかけたのは美奈子であった。
「それだけ集中力ができるから。けれど」
「けれど？」
「あまり緊張したら駄目よ」
反面でこうも告げるのだった。
「言っておくけれどね」
「そうなの」
「そういうもの。身体が硬くなったらかえって駄目だからね」
「わかったわ。あっ」
ここでふと背伸びをしてみると。思ったより身体が硬くなっていたことに気付いた。それに気付いて思わず声をあげたのであった。
「やばいわね。かなり硬くなっていたわ」
「でしょ？」
それに応えて双子の妹に対して述べた。
「気付いてよかったわね」
「ええ。それじゃあ」
「そろそろよ」
美奈子の声が強いものになった。
「いいわね」
「わかったわ。それじゃあ」
美奈子の言葉に頷いたその瞬間だった。目の前に。
「出たわよ」
「ええ」
遂に最後の敵が姿を現わした。それは。華奈子の顔に緊張が走る。
第九十七話 完
２００８・４・１１
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