第九十二話
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第九十二話 狼男登場
先に進んでいると。遂に四匹目が登場した。
「って今度はこれね」
「何かお約束よね」
梨花と赤音が言うのだった。
「狼男ってねえ」
「まあドラキュラにフランケンが出たから」
「やっぱりこれなのね」
「本当にミイラも出そうね」
「けれど困ったわ」
春奈が困惑した顔で狼男を見ていた。
「どうしてなの?」
「だって狼男よ」
こう美樹に答える。
「銀の十字架を溶かした銃弾じゃないと」
「御心配なく」
しかし先生がにこりと笑ってここで困惑する六人に対して言うのだった。
「大丈夫なんですか?」
「あれは映画だけのことです」
どうやらそうらしい。
「この狼男は普通に倒せますので」
「銀の弾丸じゃなくても」
「その通りです」
美樹の問いににこりとしてみせる。
「ですからどれでも。さあ」
「それならここはあたしが」
「いえ、待って」
出ようとする華奈子を美奈子が止めた。
「あれっ、どうしてなの?」
「今度は彼女の番よ」
「彼女のって」
「そうね。ここはね」
そう言って出て来たのは。美樹であった。
「狼って森の中にいるじゃない」
「うん」
彼女の問いに春奈が応えて頷く。
「そうよ。ヨーロッパとかじゃ特に」
「だからよ。私にやらせて」
狼男を見据えて述べる。
「是非ね。皆、それでいい?」
「私はいいわ」
「私も」
「私もよ」
春奈、梨花、赤音はすぐに答えてきた。
「美樹ちゃん御願いね」
三人に続いたのは美奈子であった。残るは一人だが。
「あたしは最後でも何でもいいわよ」
華奈子は明るく言うのだった。
「絶対に出番はあるでしょうしね」
「じゃあ。いいわね」
「任せたわ」
今度は五人が一斉に美樹に告げた。こうして美樹の戦いがはじまるのだった。
第九十二話 完
2008・3・5
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