第八十八話
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第八十八話 アクシデントも怖くない
三日でメカ○○グを開発した博士。早速それを何処かの街に向けようとしたがその矢先に思わぬ相手が彼の前に姿を現わした。
「何じゃあれは」
「宇宙人みたいですね」
やけに小さく頭が大きくて釣り目の黄色い宇宙人が出て来た。
「人類ニ告グ」
宇宙人は博士を前にして宣言する。
「今ヨリコノ星ハ我々ノモノダ。無駄ナ抵抗ハ止メロ」
「って、侵略者!?」
「何じゃ、また御主か」
「ムッ、天本博士」
何とこの宇宙人と博士は知り合いであるらしい。
「おお、遊びに来てくれたのか」
「久シ振ダナ、元気ソウデ何ヨリダ」
「何よりだって」
小田切君はこの宇宙人が急に友好的な態度になったのを見て目を顰めさせた。
「侵略に来たんじゃないんですか!?」
「いや、生体実験の材料を探しに来たんじゃ」
「けれど今」
どちらにしろとんでもない理由で来ているが小田切君はそれはとりあえず置いておいて博士に対して問うのであった。
「実際にこの星は我々のものだって」
「あれはこ奴の星の挨拶じゃ」
変わった挨拶もあったものである。
「要約すればこんにちは。仲良くしましょうってことなのじゃ」
「そうなんですか」
「うむ、そうじゃ」
それにしては物騒な挨拶の言葉ではある。しかも問題はまだあった。とりあえず置いておいた問題がそれである。
「それでもですね」
「生体実験のことか」
「そうですよ、まさかそれって」
「決まっておるではないか」
なお博士の生体実験の素材は大抵生きた人間である。生きた人間をサイボーグにしたり劇薬の実験に使ったりするのは普通である。
「生きておる人間じゃよ」
「じゃあとんでもないことじゃないですか!」
「何、大したことではない」
しかし博士の態度は普段と変わらない。
「何処ぞの暴力団をな。事務所ごと拉致してな」
「拉致ですか」
「今回ハ百人程モライタイ」
「ならいい国があるぞ」
博士は博士で斡旋をしている。生体実験の。
「日本の北西にな。人を攫う国があるからそこの偉いさんを百人程持って行ってくれ」
「ワカッタ」
「ってあの国まだあったんですか」
博士が散々色々なことをしているので崩壊したのかと思っていたがまだ存在していたのだ。存外しぶとい。
「特にいいのはパーマでサングラスをかけた小柄で太ったおっさんじゃ」
「フム、ソイツガイイノダナ」
「何ならそいつ一人でいいぞ。後はクローンをしてだな」
「クローンをして」
「世の中に広めてもよい」
「・・・・・・・・・」
またとんでもないことを吹き込む博士であった。小田切君も絶句だった。
第八十八話 完
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