第八十六話
[8]前話 [2]次話
第八十六話 直線攻撃
五人は美奈子を先頭にして進む。そのまま一直線に。
「いい、美奈子ちゃん」
後ろから春奈が美奈子に声をかける。
「そのまま仕掛けて。御願い」
「わかっているわ」
美奈子はそのまま前を進みながら答える。進みながら笛を構える。
「まずは。私の笛でね」
「ええ」
美奈子はゴーレムに突き進むがそこに拳が来る。しかしそれを上に跳んでかわすと笛の音を奏でるのであった。ブラームスの子守唄であった。
「まずはこれで」
その笛の音がゴーレムの耳に入ると動きが鈍った。子守唄はゴーレムにも有効なのであった。
「よし、効いてるわ!」
「じゃあ次は!」
赤音、美樹、梨花が続いて一直線に進み一人ずつ攻撃を放ちダメージを与える。ダメージを与えるとそれぞれ横に跳ぶ。そうして出て来たのは華奈子であった。
「よし、それじゃあ出番ね」
「ええ、頼むわ」
春奈は華奈子にも声をかける。
「ゴーレムだから」
「そうね。じゃあ!」
華奈子は上に大きく跳躍した。上から炎を放つ。それがゴーレムの周りを飛び回る。直接攻撃を与えるのではなくゴーレムの周りを飛ぶだけだった。
「春奈ちゃん、これでいいのね」
「ええ、有り難う」
にこりと微笑んで華奈子に礼を述べる。
「後は」
「僕達もいるね」
「じゃあ」
「御願いね。これで決まるわ」
イーとリャンは既に前に出ている。二匹が水を放ちゴーレムを下から撃つ。そして春奈は正面から水を放ってゴーレムを撃つのであった。
「水なのですね」
「はい、そうです」
春奈は水を放ちながら後ろで見ている小百合先生に答える。
「ゴーレムは土ですから。まずは火で乾燥させて」
「それから水で撃てば脆くなって崩れるわね」
「はい。それを狙っていました」
土の特性を利用した攻撃なのであった。
「これならゴーレムも」
「そうですね」
先生は春奈の言葉に微笑む。今度は先生がにこりと微笑むのであった。
「合格です。三番目のモンスターもこれでクリアーです」
「有り難うございます。あっ」
その時だった。ゴーレムが土に戻って崩れ落ちたのであった。崩れ落ちるとそのまま消え去ってしまった。まるで砂が消え去る様に。
「今終わりました」
「はい」
今完全にゴーレムは消え去った。こうして春奈達は見事ゴーレムを倒したのであった。残るは三匹、半分が終わった計算になる。しかし迷宮はまだ続く。
第八十六話 完
2008・2・13
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ