第八十四話
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第八十四話 三番目の相手
先を進む一行。迷路はまだまだ続いている。
「それにしても長いわよね」
「ええ」
美奈子が華奈子の言葉に頷く。
「何処まであるのやら」
「ひょっとして終わりがないんじゃないかしら」
「いえ、ありますよ」
不安な顔になった美奈子に小百合先生が答えてきた。
「あるんですね」
「はい。六番目のモンスターを倒せばそれで終わりです」
「ってことはどんどん倒せばいいんですね」
「そういうことです」
先生は華奈子にも答えた。にこりと笑ったままで。
「そうすれば出られますので」
「言い換えればあれね」
美奈子は先生のここまでの話を聞いたうえで述べる。
「全部倒さないと出られない」
「そうなるわね、そういえば」
華奈子はその考えにも気付く。
「じゃあ。倒すしかないわよね」
「そういうことね。さて」
ここで美奈子は辺りを探る。
「今度は何が出るかしら」
「そのケルベロスかしら」
華奈子はあまり考えることなく述べた。勘である。
「今度は」
「それはわかりませんよ」
先生の言葉は何処か他人事にも聞こえるものであった。にこにことしているだけに余計にであった。本人がそれを意識しているかどうかはわからない。
「果たして。何が出て来るか」
「ドラキュラにフランケン」
華奈子は言う。
「じゃあ次はミイラ男かしら。だったらあたしの出番だけれど」
「火に弱いからね」
「そういうこと。まあそれでも上手くはいかないでしょうけれど」
華奈子もそれは予測していた。相手を侮ってはいないのだ。
「そもそも何が出て来るのかさえわからないしね」
「何かしら、今度は」
そんなことを話している側から。前に巨大な像が現われたのであった。
「これは?」
「ゴーレムです」
先生が六人に伝える。
「三番目はこれなんですね」
「これなんですって何か」
「緊張感が本当にないっていうか」
「さて」
それでも先生の言葉は続く。
「ではでは頑張って下さいね」
「ええ」
「倒さないといけないですし」
緊張感に少し欠けるがそれでもゴーレムに向かう六人であった。
第八十四話 完
2008・2・7
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