第八十話
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第八十話 赤音の魔法
赤音は空中から右手のステッキで光を放つ。最初からそれは一つではなかった。
「一つじゃない!?」
「幾つも」
「この光をさらにね」
彼女は魔法を放ちながらまた言う。
「こうするのよ!ジップ!ハーリー!」
また二匹に声をかけた。
「御願いね!」
「わかってるわよ!」
「御主人、任せて!」
二匹のそれに応える。そのうえで分身達で飛び回る。
それぞれの鏡に赤音の光達が当たると反射する。それが複雑に動き五人の攻撃で怯んでいた吸血鬼を撃つのであった。
それはかなりのダメージであった。一つ一つもそれなりの大きさだったがそれが無数に放たれ複雑な動きを示すのだ。とてもよけられるものではなく吸血鬼は光を受け続ける。そうして遂に倒れ消えてしまったのであった。
「やったわね」
「ええ。けれど」
五人はここで着地してきた赤音を見るのであった。
「赤音ちゃん」
「今のは」
「ええ、前の特訓でやったのを応用してみたのよ」
そう五人に答えるのであった。
「前のを!?」
「そうなのよ。ジップとハーリーには今回助けてもらって」
「まあそういうことで」
「宜しく」
二匹はにこりと笑って五人に述べてきた。
「上手くいったわね、何とか」
「そうね、使い魔ね」
ここで梨花が気付いた。
「使い魔を使えばいいのよね、ここは」
「そういうこと。何か見つけた?」
赤音はくすりと笑って述べた。
「ひょっとして」
「かもね。これからの戦いのヒントをね」
「さて皆さん」
いいタイミングで小百合先生が出て来た。
「あと五人ですよ」
「五人っていったら」
「人数分よね」
「そうです、丁度いいですね」
にこりと笑って六人に述べる。
「一人一回で。では」
「はい、行きます」
「それなら話が早いです」
六人もそれに乗るのであった。
「ではいざ続きに」
「わかりました」
「それにしても」
ここで赤音は先生の言葉に思わず呟いた。
「続きって」
何はともあれ迷宮を進む。まだまだ迷路は続くのだった。
第八十話 完
2008・1・13
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