第七十八話
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第七十八話 最初に出たのは
六人は迷路を歩いていく。すると最初に彼女達の目の前に出て来たのは。
「URYYYYYYYYYYYYYYY!!」
「ああ、これはわかったわ」
赤音が奇声を発しながら前に出て来た仮面の男を見て言った。
「あれね、吸血鬼ね」
「吸血鬼だったんだ、これって」
「何かと思ったら」
彼女の使い魔である兎のジップとハムスターのハリーがそれを見て言うのだった。
「吸血鬼っていったらあれだけれど」
赤音は落ち着いた様子で言う。あまり怖がってはいないのがわかる。
「太陽に弱いっていうのが相場よね」
「それでは赤音さん」
ここで小百合先生がその赤音に声をかけるのだった。
「御願いしますね」
「倒せってことですよね」
「はい」
先生は実にあっけらかんとした調子でまた赤音に告げた。
「皆さんで。御願いします」
「それじゃあ」
梨花がまず赤音のフォローに回るのだった。
「ここは六人でやりましょう。いいわね」
「ええ。けれど」
赤音がここで梨花に応えて言うのだった。
「あたしがメインよね」
「そうですよ。吸血鬼がメインですから」
先生がまた言ってきた。
「光を使えば楽に倒せますよ」
「楽にでしょうか」
「先生が仰るんだから間違いはないと思うわ」
首を傾げる春奈に美樹が告げる。
「多分ね」
「とにかくやるしかないってことね」
赤音はそれだけはもうわかっていた。他の面々も。
「さもないとこっちも吸血鬼になるわよ」
「そうね。いい、皆」
リーダーである梨花がコントロールタワーになっていた。
「皆で周りから一斉攻撃を仕掛けて」
「ええ」
「それで」
「赤音ちゃんは上から頼むわ」
赤音に対してはこう告げた。
「光は上から照らすのが一番だから」
「わかったわ。それじゃあ」
赤音も頷く。そうしてそのまま攻撃に入る。それぞれの使い魔達も。中でもジップとハリーは赤音と一緒にかなり緊張した状態にあった。
「私達もいるから」
「御主人、頑張ってね」
「わかってるわ」
「全部で六匹いますから」
六人の後ろから先生が言ってきた。
「頑張って下さいね」
ということであった。六人にとっての戦いであった。
第七十八話 完
2008・1・9
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