第七十三話
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第七十三話 お風呂
お風呂に入る六人。まずは入ってみて驚きであった。
「何、これ」
「お風呂よね」
何とそこはあまりにも巨大な浴槽があったのだ。しかもそれが何個もあってサウナまである。あげくには野外風呂まであった。
「そうらしいけれど」
美奈子もこれには唖然としていた。
「何かこれがお家のお風呂って」
「信じられないわよ」
華奈子の驚きを隠せない声が聞こえていた。六人はもう裸になってシャンプーやボディソープをそれぞれのプラスチックの篭に入れていた。
「スーパー銭湯じゃない、そのまま」
「スーパー銭湯か」
「そういえばそうね」
梨花と赤音が華奈子のその言葉に頷くのであった。
「じゃあ考えればいいわね」
「じゃあそれぞれ入ればいいわよね」
美樹と春奈もそれで納得することにした。見れば春奈は今は眼鏡を外している。奇麗な澄んだ垂れ目がそこにあった。
「それなら」
「それぞれ好きなところに」
といっても六人がまず身体を洗って入ったのはミルク風呂であった。白く淡い色のミルクがそのまま浴槽を満たしているのであった。
皆で入る形となった。その中で華奈子が皆に対して問う。
「どうしてここなの?」
「どうしてっていうと」
「やっぱりね」
それに対する皆の答えはもう決まっていた。
「ミルクのお風呂ってあれなんでしょ?」
「入っていたら奇麗になるって」
クレオパトラの伝説である。皆それを知っているからこそ入るのであった。
「だからよ、やっぱり」
「私達だってやっぱり」
「皆考えることは同じなのね」
華奈子は赤音、美樹、春奈、梨花のそれぞれの言葉を聞いて納得して頷くのであった。
「あたしもそうだし」
「華奈子もそうなのね」
「ええ」
そして美奈子の言葉にも頷いた。二人は長い髪を上で束ねている。見れば春奈や美樹といった髪の長い面々も同じである。まだ幼さの残る身体つきや顔立ちなのにそれがかえって艶かしく見えるのだから不思議であった。
「やっぱり奇麗になりたいから」
「そうよね。折角の機会だし」
華奈子も当然ながら同じだ。ならば反論はなかった。
「楽しく入りましょう」
「そうね」
「皆でね」
こうして六人でお風呂を楽しむ。暫くミルク風呂や他の様々なお風呂を入って楽しんでいたがそこに新たな客がやって来た。
「誰かしら」
「先生かしら」
入り口の方を見ると。そこには女神がいた。
第七十三話 完
2007・12・24
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