第六十五話
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第六十五話 いざ修行の場へ
六人は先生に言われて修行の場に向かう。電車でゴトゴトと揺られるのはさながらピクニックであった。彼女達は電車の中であれこれと話をしていた。
「一体何処に行くんだろうね?」
「ええと」
梨花が華奈子の問いに答える。
「確か八条町ね」
「八条町っていったら」
ここで華奈子はその町について気付いた。
「神戸だったわよね」
「ええ。あそこに何があるのかしら」
今度は美樹が言う。
「おばちゃんとポポちゃんの知り合いよね」
「みたいね」
美奈子の言葉に華奈子が頷いた。
「話だと」
「何かよくわからないわ」
美奈子にも今回のことはわかりかねていた。
「誰がいるのか。何があるのか」
「それよね。何があるのかもわからないのよね」
赤音はそこを指摘する。
「変なことじゃなきゃいいけれど」
「それはないと思うわ」
春奈はそう予想していた。
「華奈子ちゃんと美奈子ちゃんの大叔母さん達の紹介よね」
「ええ」
「そうよ」
二人は春奈に対して答える。
「そうだけれど」
「だったら変な人でも変なことでもないと思うわ。凄くいい人達だし」
「確かにね」
「それはね」
二人もおばちゃんとポポちゃんに対してはそうだと言う。
「おばちゃん達の紹介なら」
「間違いはないかしら」
「それにしてもあれね」
美樹は別のところを指摘してきた。
「わざわざ神戸まで電車で行くのもねえ」
「そうね、案外」
梨花がその言葉に頷く。
「大変ね、どうにも」
「そうよね。それで待ち合わせの場所は」
赤音が地図を取り出してきた。言うまでもなく神戸の地図である。
「ここね」
「そう、ここ」
そんな話をしながら神戸に向かう。そうしてようやくといった感じで神戸に到着したのであった。丁度夕刻になっていてもう空が赤くなっていた。
「憧れの神戸だけれど」
「遊ぶのは我慢して」
「行きますか」
「ええ」
「じゃあそういうことで」
「こっちね」
六人はこう言い合って待ち合わせ場所に向かった。はじめての神戸だが遊ぶのはまずはおあずけであった。
第六十五話 完
2007・11・28
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